『国色芳華~牡丹の花咲く都で~』は、ヤン・ズー演じる何惟芳が、望まない結婚から抜け出し、長安で牡丹の商売を始める中国時代劇です。
劉家との離縁から蒋長揚との偽の結婚、芳園の再建、寧王の反乱まで、全56話のあらすじと結末をネタバレありで紹介します。
この記事で分かること
- 『国色芳華』第1話から最終回までのあらすじと結末
- 何惟芳と蒋長揚が偽の夫婦になる理由と恋の行方
- 劉暢や吉安県主、寧王を含む主要人物の関係
- 唐代の時代背景や花鳥使・県主などの用語
国色芳華(こくしょくほうか)あらすじとネタバレ
第1~8話 劉家との結婚と離縁
洛陽の商家に生まれた何惟芳は、病気の母を助けるため名門・劉家の劉暢と結婚します。ところが劉暢には寧王の娘・吉安県主という想い人がいて、何惟芳を妻として受け入れる気はありません。しかも義父母が欲しいのは何家の財産で、何惟芳が持参した店まで勝手に売ろうとします。
それでも何惟芳は劉家で耐えていましたが、侍女の玉露まで失ったことで我慢する理由もなくなりました。蒋長揚の協力を得て劉暢との離縁を成立させ、ようやく劉家を出ます。ところが義父・劉申は何惟芳を逃がすつもりはなく、追っ手まで差し向けました。実家にも戻れない何惟芳は、崖から落ちて死んだように見せかけ、そのまま長安へ向かいます。
第9~12話 長安で牡丹の商売を始める
長安へ逃げた何惟芳ですが、世間ではすでに死んだことになっています。本来の戸籍を使えないため、住む場所を借りるにも仕事をするにも苦労しました。
そんな中で出会ったのが、夫・王擎からひどい扱いを受けていた五娘です。何惟芳は五娘が夫と別れるのを助け、「秦勝意」という新しい名を与えました。二人は山で採った牡丹を鉢で育て、「懐袖香」と名付けて販売。さらに牡丹から香粉を作り、客が好きな香りを選べる商品も考えます。王擎から嫌がらせを受けても諦めず、花を育てるだけでなく、どうすれば客が買いたくなるのかまで考えて商売を続けていきました。
第13~24話 蒋長揚の秘密と花満築の危機
何惟芳は徐祖平が襲われる現場を目撃し、蒋長揚が人を殺したと思います。ところが徐祖平は生きていました。蒋長揚が寧王から守るため、殺されたように見せかけていたのです。ここで蒋長揚が皇帝の命を受け、寧王一派の動きを密かに調べていることも明らかになります。
何惟芳の商売も順調とはいきません。花商組合から邪魔をされ、劉家からは再び命を狙われます。さらに軍営へ送られて奴婢として扱われ、その間に花満築まで王擎に奪われてしまいました。それでも蒋長揚に助けられて長安へ戻り、今度は王擎と直接対決。店を返させ、花満築を自分たちの手に取り戻します。
第25~32話 芳園を取り戻し蒋長揚の妻になる
何惟芳が長安へ来てからずっと取り戻したかったのが、亡き母が残した芳園です。金を用意しても持ち主は売ろうとしません。そこで吉安県主の婚礼に珍しい花が必要になると、何惟芳はその花を渡す代わりに芳園を売るよう求めました。
そのころ蒋長揚は寧王からますます警戒されるようになっていました。何惟芳も彼の調査に協力するため、蒋長揚の偽の側妻になることを承知します。二人は婚礼を行い、蒋長揚は亡き母が将来の花嫁に残した櫛を何惟芳の髪に挿しました。偽の夫婦のはずなのに、もうかなり本物っぽいですね。そして第32話、何惟芳はついに芳園を手に入れ、亡き母との約束を果たします。
第33~40話 芳園の開店と蒋長揚との離縁騒動
中国では『国色芳華』全32話の後に、続編『錦繍芳華』全24話が制作されました。日本版はこの二作品を続けて全56話として放送しているため、第33話からは『錦繍芳華』にあたる物語が始まります。
芳園を開いた何惟芳の前に現れたのが、蒋家へ入り込んだ蓮舟と、蒋長揚の幼なじみ・蕭雪渓です。とくに蕭雪渓と蒋長揚の親しい様子を見た何惟芳は、二人の仲を誤解して離縁まで申し出ます。ところが芳園で火事が起きると、蒋長揚は何惟芳を助けるだけでなく、彼女が大切に育てていた牡丹まで救い出しました。さらに蕭雪渓にも恋愛感情はないとはっきり伝えます。事情があって始めた結婚でしたが、このころには二人とも相手を失いたくないと思うようになっていました。
第41~48話 花商の長となった何惟芳と寧王の企み
何惟芳は各国の使節が集まる場で、雪の季節に牡丹を咲かせることに成功します。その腕を認めた皇帝は何惟芳を花商の長に任命し、「国色芳華」と書いた額を授けました。劉家を逃げ出したころから考えると、ずいぶん遠くまで来たものです。
ところが蒋長揚と寧王の対立はさらに深まり、劉暢も寧王の命令で蒋長揚の秘密を探るようになります。何惟芳も母の死に関わる事情を知り、一度は芳園を閉めようと考えました。それでも晟県で暮らす貧しい人々を見て、薬草や胡麻、菜の花を育てる仕事を用意します。自分が花を売って成功するだけで終わらず、その商売を使って生活に困る人たちにも仕事を作ろうとするようになりました。
第49~56話(最終回)寧王の反乱
寧王との対決が近づくと、蒋長揚は何惟芳を巻き込みたくないと考え、離縁状を送りました。でも何惟芳はここで離れません。これまで商売で築いてきた人脈を使い、物資を集めて蒋長揚を助けます。
第52話では蒋長揚が寧王に刺され、何惟芳も劉暢に連れ去られました。さすがに蒋長揚までここで死ぬのかと思いますが、彼は生きており、何惟芳と再会します。その後は河東の于錚とも協力し、寧王の軍に対抗。最後には寧王の反乱も失敗し、長く続いた争いに決着がつきました。
何惟芳と蒋長揚は功績を得て長安で暮らす道を選ばず、二人で各地を訪ねながら生きていくことにしたのでした。
国色芳華 注目ポイント
何惟芳はなぜ劉暢と結婚したの?
何惟芳が劉暢と結婚した理由は、病気の母を助けるためでした。自分が好きな相手を選んだ結婚ではなく、母のために劉家へ嫁ぐ道を選んだのです。
ところが劉暢には吉安県主という想い人がいます。本人も何惟芳との結婚を望んでいませんが、父母に逆らえず結婚しました。さらに劉家の両親が目を付けていたのは何家の財産です。
これでは最初からうまくいく要素がほとんどありません。何惟芳は母のため、劉暢は親に逆らえないから結婚し、劉家は財産目当て。そりゃ夫婦仲がよくなるはずもないでしょう。
しかも劉暢には別に好きな女性がいるので、何惟芳からするとかなり迷惑な話です。自分も望んで嫁いだわけではないのに、夫から冷たくされる。序盤の何惟芳を見ていると、まずこの結婚から抜け出したくなるのも当然だと思いました。
何惟芳はなぜ離縁後に死を装ったの?
何惟芳はようやく劉暢と離縁しました。これで自由になれるのかと思ったら、そう簡単には終わりません。
実家へ戻ると、すでに劉申が送った追っ手が来ていました。離縁して劉家を出ても、相手がそのまま放してくれるとは限らない。そこで何惟芳は崖から落ちて死んだように見せ、そのまま長安へ逃げます。
ここまでしないと逃げられないのか、と思いますよね。普通なら離縁が成立した時点で話は終わりそうですが、劉家には何家の財産という目的があります。何惟芳が生きていれば、また連れ戻される可能性がある。それなら「何惟芳は死んだ」と思わせた方が確実です。
かなり思い切った方法ですが、劉家との関係を完全に断つには必要だったのでしょう。
何惟芳はなぜ長安で戸籍を使えないの?
死んだことにして逃げた以上、今度は自分の戸籍が使えません。本名で身元を証明すれば「死んだはずの何惟芳が生きている」と自分から知らせることになります。
長安まで逃げれば自由に暮らせるのかと思ったら、戸籍がないので普通の生活ができない。ここはなかなか厄介です。
第7話では従兄の李荇に偽の戸籍を用意してほしいと頼みますが、断られました。李荇からすれば犯罪に関わることになるので簡単には引き受けられないでしょう。でも何惟芳からすれば、「じゃあ私はどうすればいいの?」という話です。
劉家から逃げるために死んだことにした。その判断自体は間違っていなかったと思いますが、そのせいで今度は戸籍が使えなくなる。自由になるにも、ずいぶん手間がかかります。
蒋長揚はなぜ遊び人のように振る舞っているの?
蒋長揚は役人から大量の贈り物を受け取り、遊んでばかりいるように見えます。最初に見たときは、「こいつ本当に大丈夫なのか?」と思いました。
ところが実際には皇帝の側で寧王を調べています。第15話では皇帝と蒋長揚たちが密かに集まり、寧王一派への対応まで話し合っていました。
つまり、あの遊び人ぶりも演技だったわけです。金と遊びにしか興味がなさそうな男なら、寧王から見てもそれほど警戒する必要はないでしょう。裏で皇帝とつながっていると知られれば動きにくくなるので、わざと信用できなさそうな人物を演じていたのでしょう。
それにしても、演技がうますぎます。何惟芳から見ても最初は胡散臭い男にしか見えません。本人が楽しんでやっている部分も多少ありそうですが。
何惟芳と蒋長揚はなぜ偽の夫婦になるの?
何惟芳を蒋長揚の屋敷に置くには、それなりの理由が必要でした。しかも寧王を警戒している状況なので、蒋長揚が何惟芳を保護していると正直に説明するわけにもいきません。
そこで何惟芳は、蒋長揚の偽の側妻になることを受け入れます。第28話から婚姻の話が出始め、第29話以降では婚礼の準備まで始まりました。
まあ、この二人が「偽物です」と言っても、見ている側としてはもう素直に信じられません。蒋長揚は亡き母が将来の花嫁に残した櫛を何惟芳に使っています。
それ、偽の妻に使う物ですか?
口では事情があって夫婦を演じているだけでも、蒋長揚の行動を見ると気持ちはかなり先まで行っています。何惟芳の方がどこまで気づいているのかも気になるところです。
芳園は何惟芳にとってなぜ大切なの?
芳園は亡き母が残した場所です。何惟芳は長安へ来てすぐ芳園を訪ねていますが、その時には手に入れられませんでした。
そこで花の商売を始めて資金を作り、芳園を取り戻せる機会を待ちます。第29話では花商組合が求めていた珍しい花を渡す代わりに、芳園を売るよう条件まで出しました。
ここまで来ると、何惟芳が花の商売をしている理由も見えてきます。もちろん自分で生きていくための仕事ですが、芳園を取り戻すという目的もずっとあったのでしょう。
第32話では芳園を取り戻したあと、亡き母へ報告しています。劉家から逃げて長安へ来たので、最初は「自由になること」が一番の目的に見えました。でも何惟芳には、その先に母の残した芳園を自分の手に戻したいという目的もあったわけです。
だから芳園を取り戻した場面は、土地を買えたというだけの話ではありません。何惟芳が劉家に振り回される生活から離れ、自分で商売をして手に入れた場所です。ここまで苦労してきただけに、本人が母へ報告したくなる気持ちは分かります。
『国色芳華』主要キャスト・登場人物
何惟芳(か・いほう)
演:ヤン・ズー
洛陽の商家に生まれた女性。牡丹を育てる技術に優れ、商売について考える力も持っています。病気の母を救うため劉家に嫁ぎますが、劉家の本当の目的を知って離縁。長安へ逃れた後は、牡丹を使った商売を始めます。
自分が生きるだけでなく、秦勝意など事情を抱えた女性たちと一緒に働き、後には貧しい人々にも仕事を作るようになります。
蒋長揚(しょう・ちょうりょう)
演:リー・シエン
花鳥使を務める役人。長安では金品を受け取る遊び人のように見られていますが、実際には皇帝と協力し、寧王一派の不正を調べています。
何惟芳の牡丹栽培や商売の才能を早くから認め、たびたび彼女を助けます。やがて何惟芳とは形式上の夫婦となり、その関係も次第に本当の恋へ変わっていきます。
劉暢(りゅう・ちょう)
演:ウェイ・ジャーミン
何惟芳の最初の夫。官僚の家に生まれ、もともとは寧王の娘・吉安県主と想い合っていました。しかし家の事情で何惟芳と結婚させられたため、彼女を嫌っています。
何惟芳が劉家を離れた後になって彼女への執着を強め、吉安県主との関係も悪化していきます。後半では寧王のもとで働き、何惟芳や蒋長揚とも対立します。
吉安県主(きつあんけんしゅ)李幼貞(り・ようてい)
演:ジャン・ヤーチン
寧王の娘。劉暢のかつての想い人で、物語の開始時点でも彼への気持ちを捨てていません。高い身分と父・寧王の権力を使い、何惟芳をたびたび苦しめます。
その後は劉暢と結婚しますが、昔のような関係には戻れません。何惟芳への嫉妬と劉暢への執着から問題を起こし、やがて父・寧王の反乱にも巻き込まれます。
寧王
演:トゥー・ソンイエン
皇帝の兄で、吉安県主の父。朝廷内に大きな力を持ち、多くの役人を自分の側に引き入れています。
蒋長揚と皇帝が調べている中心人物で、物語後半では皇位を狙って軍まで動かします。何惟芳の商売の話と蒋長揚の朝廷での任務が結びつく原因となる人物です。
秦勝意(しん・しょうい)
演:シャオユン
何惟芳が長安で出会う女性。王擎との結婚生活に苦しんでいましたが、何惟芳の助けを受けて離縁します。その後は何惟芳と一緒に働き、花満築を作る仲間になります。
国色芳華の時代背景と用語
『国色芳華』の意味
「国色」は国を代表するほどの美しさ。「芳華」は美しく咲く花や華やかな時期を表す言葉です。
牡丹は古くから「国色天香」と呼ばれ、中国では特に高く評価された花です。
劇中でも第42話で何惟芳が雪の中に牡丹を咲かせ、皇帝から「国色芳華」の書を授けられます。
国色芳華はいつの時代?
唐の時代。大きな戦乱がなく国が栄えている時代。劇中の皇帝は「三郎」と呼ばれ、兄には寧王がいることから、玄宗 李隆基の時代をモデルにしているようです。
史実の李隆基も三男だったため三郎と呼ばれ、兄の李憲は寧王の称号をもっていました。
ただし史実の寧王は皇帝と対立していませんが、ドラマの寧王は皇帝に対抗して反乱を起こします。
『国色芳華』は唐玄宗の時代をもとに人間関係を脚色してドラマ用に事件を作っているようです。
寧王と吉安県主は実在した?
寧王・李憲は実在した唐の皇族です。唐睿宗の長男で、唐玄宗・李隆基の兄でした。
李憲は皇太子になる立場にいましたが、李隆基にその座を譲っています。その後、玄宗に反乱を起こした人物でもありません。
ドラマの寧王は、史実の李憲とはかなり違う人物として描かれています。
吉安県主についても唐の皇族女性を参考にした設定がありますが、劉暢との恋愛や何惟芳との対立はドラマの物語です。
花鳥使とは?
蒋長揚の肩書「花鳥使」となっています。玄宗の時代には「花鳥使」と呼ばれる使者がいたとされます。
ただしドラマの蒋長揚のように、皇帝の命令で寧王の不正や反乱計画を調べる役職だったわけではありません。『国色芳華』では唐で使われた名称を利用してドラマ用の人物設定を作っているようです。
県主とはどんな身分?
県主(けんしゅ)は唐で皇族女性へ与えられた称号です。皇帝の娘は「公主」、皇太子の娘は「郡主」、親王の娘は「県主」とよばれます。
皇帝の娘の公主よりは位は下ですが、重臣の娘よりも地位は上。劉暢にとって吉安県主は好きな女性ですが、寧王の娘でもあるので皇族と官僚という身分の違いも関わってきます。
唐代では女性が離縁して再婚できた?
『国色芳華』では何惟芳や秦勝意も夫と離縁します。中国ドラマにしては女性の離婚や再婚が多いと思うかも知れませんが。唐の時代には夫婦が合意して離婚する「和離」があって、女性の再婚もありました。女性の離婚再婚は儒教が普及した後の中国王朝よりは自由度が高かったようです。
ただし何惟芳の場合はお互いが合意したわけではないので、役所へ訴えて蒋長揚の協力まで必要になりました。


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