中国ドラマ「定風波~神捕、冥(くら)き真実を暴く~」は、名探偵と呼ばれた捕吏・蕭北冥が、自分に着せられた殺人と反逆の罪の真相を追うミステリー時代劇です。
ドラマでは石像から血のような涙が流れる事件をはじめ、一見すると呪いや超常現象にも思える事件が次々に発生します。蕭北冥は鍾雪漫や仲間たちとともに、遺体や現場に残された証拠を調べて事件に使われた仕掛けと犯人を突き止めていきます。
その一方で、蕭北冥自身も風波湖事件で師匠殺しの犯人とされ、朝廷から追われる身になってしまいます。新たな事件を調べるうちに、風波湖事件、正体不明の夜煞、さらに20年以上前の海崖の惨事がつながっていきます。
この記事では「定風波」のあらすじ、主要人物とキャスト、神捕営や夜煞とは何か、七つの怪事件、作品の見どころ、大亓の時代設定について紹介します。
定風波はどんなドラマ?
定風波の作品情報
「定風波」は2025年に中国で配信されたミステリードラマで、全36話です。
蕭北冥を演じるのは「墨雨雲間~美しき復讐~」のワン・シンユエ。鍾雪漫をシアン・ハンジーが演じます。
中国では「定风波(定風波)」のタイトルでiQIYIで配信され、日本では「定風波~神捕、冥(くら)き真実を暴く~」の題名でチャンネル銀河が2026年9月14日から放送予定です。
七つの奇妙な事件を調べながら、蕭北冥が3年前の事件で自分に罪を着せた人物と夜煞の正体を探っていくミステリーです。
あらすじ
蕭北冥は神捕営に所属する捕吏で、大亓一の名探偵と呼ばれていました。鍾雲赤を師匠に持ち、その娘・鍾雪漫とは幼いころから一緒に育ちました。二人は結婚することになりますが、婚礼の日に事件が起こりました。
鍾雲赤たちが殺され現場には「夜煞」の名が残されます。しかも蕭北冥が犯人だと思わせる証拠が用意されていました。蕭北冥は師匠殺しと反逆の罪を負わされ、逃亡中に湖へ落ち、その後は行方が分からなくなります。
それから3年後、都で再び「夜煞」の名を使った事件が起こりました。蕭北冥も都へ戻り、新しい事件と3年前の事件を調べます。
鍾雪漫は父を殺されたため、当初は蕭北冥を信用できません。しかし新たな事件を一緒に調べる中で、3年前に残された証拠には不自然な点があることが分かります。風清濁、霍黛蓉、童双、諸葛孔雲らも事件に関わり、それぞれが持つ知識や立場を生かして犯人を探します。
さらに、死亡した人物や事件に関係した兵士たちを調べると、何人もの人たちが20年以上前の海崖事件と関係していたことが分かるのでした。
定風波 1話・2話・3話 蕭北冥が師匠殺しの容疑者にされてしまう
定風波の主要人物・キャスト
蕭北冥(しょう・ほくめい)
演:ワン・シンユエ(王星越)
神捕営の捕吏
事件現場に残された証拠や遺体の状態から犯行方法を見抜くことに優れ「大亓一の名探偵」と呼ばれています。幼いころに鍾雲赤に引き取られ事件捜査を学びました。
鍾雲赤の娘・鍾雪漫とは幼なじみで、結婚することになりましたが婚礼の日に鍾雲赤たちが殺され、蕭北冥自身が夜煞、さらに師匠殺しと反逆の犯人として疑われました。
湖へ落ちたあと3年間姿を消しますが、再び夜煞に関係する事件が起こると都へ戻り鍾雪漫たちと事件を調べながら自分に罪を着せた人物を探します。
鍾雪漫(しょう・せつまん)
演:シアン・ハンジー(向涵之)
神捕営の捕吏、鍾雲赤の娘
神捕営に所属する女性捕吏で武術に優れています。蕭北冥とは幼いころから兄妹弟子として育ち互いに想い合って結婚することになりました。
婚礼の日に父・鍾雲赤が殺され、蕭北冥が犯人とされたため人生が一変します。
風清濁(ふう・せいだく)
演:チェン・ヨウウェイ(陳宥維)
毒絶谷・無双老人の弟子
「毒絶谷の小白竜」と呼ばれる医術と毒の専門家。無双老人から医学や毒物について学んでおり、奇妙な症状を見せる被害者や薬物が使われた事件ではその知識を使って蕭北冥を助けます。
霍黛蓉(かく・たいよう)
演:ジャン・ナン(張南)
海崖出身、霍宗耀の養女
幼いころに海崖の惨事を経験した生き残りで、霍宗耀の養女として育ちました。蕭北冥たちと行動をともにし、事件の調査にも加わります。
童双(どう・そう)
演:ホー・ルオルオ(何洛洛)
平遠鏢局の三男を名乗る青年
平遠鏢局の三男・童双と名乗り、蕭北冥たちと行動をともにします。若く行動力があり、事件現場にも同行する仲間の一人。
諸葛孔雲(しょかつ・こううん)
演:ドン・カイ(鄧凱)
地位・立場:暗偵営首座・諸葛通の息子
蕭北冥、鍾雪漫とは幼いころから一緒に育った親友です。父・諸葛通は暗偵営の首座を務めています。
風波湖事件で蕭北冥が夜煞の疑いがでたため、彼を昔の友人という立場だけでは接することができません。官側から事件を調べながら、蕭北冥や鍾雪漫とも関わっていきます。
鍾雲赤(しょう・うんせき)
演:シャオ・ビン(邵兵)
地位・立場:神捕営の前首座、鍾雪漫の父、蕭北冥の師匠
かつて神捕営を率いた人物で、先帝から「鍾捕王」の称号を与えられるほど優れた捕吏でした。蕭北冥を引き取って育て事件捜査を教えた師匠です。
鍾雪漫と蕭北冥の婚礼の日に風波湖で殺され、その罪を蕭北冥が着せられました。さらに鍾雲赤は20年以上前の海崖で起きた惨事についても事情を知っており、なぜ彼が殺されたのかがドラマ全体の重要な謎になります。
大亓皇帝
演:バオ・ジエンフォン(保剣鋒)
地位・立場:大亓の皇帝
大亓を治める皇帝。
20年以上前の海崖で起きた惨事について事情を知っていますが、そのすべてを蕭北冥たちに明かそうとはしません。
武烈(ぶ・れつ)
演:レン・ティエンイエ(任天野)
地位・立場:皇帝の叔父
皇帝の叔父にあたる皇族。20年以上前に海崖で起きた惨事に深く関わっています。
苗杰(びょう・けつ)
演:シウ・チン(修慶)
地位・立場:天書閣の天官、海崖の生き残り
朝廷の機密記録を管理する天書閣の天官。もとは侠客で自身も海崖の惨事を生き延びた人物です。
表向きは朝廷に仕える官吏ですが、海崖で家族や故郷を失った者たちとも関係しています。
夜煞とは何?
夜煞(やさつ)とは、ドラマ序盤から登場する正体不明の殺人者のこと。
3年前の鍾雲赤殺害事件で夜煞の存在が問題となり、蕭北冥自身が夜煞だと疑われました。
その後も「夜煞」の名が残された事件が起こるため、蕭北冥は新しい事件を調べながら、夜煞とは何者なのか自分がなぜ犯人に仕立てられたのかを突き止めようとします。
やがて昔起きたある事件が関わっていることが分かってきます。
神捕営とは?
神捕営は、大亓の刑部に属する捜査組織。蕭北冥や鍾雪漫たちが所属しています。
刑部には神捕営と暗偵営という二つの捜査部門があり、神捕営は捕吏たちが事件現場へ行って証拠を調べ、容疑者を追跡して逮捕する仕事を担当しています。殺人や盗難などの重大事件も扱い、現在でいえば刑事警察に近い役割です。
組織の責任者は「首座」と呼ばれ、その下に多くの捕快が所属しています。ドラマ開始時の首座は鍾雲赤です。
神捕営は捜査能力の高さから皇帝にも認められ、重要事件を任される有力な部署になっていました。
暗偵営も同じ刑部に属しますが、こちらは密かな調査や情報収集を得意とする部署です。神捕営と暗偵営は同じ刑部の捜査機関ですが、どちらがより重要な事件を任されるかを競ってライバル関係にあります。
定風波に登場する七つの怪事件
「定風波」では七つの怪事件が登場します。
血涙像事件
1話で描かれる事件。功績のある臣下を称える作られた石像から血のような赤い液体が流れます。さらに石像のモデルになった人物たちにも異変が起こり、蕭北冥たちが石像と事件との関係を調べ始めます。
花嫁縫殺事件
若い花嫁たちが相次いで殺されました。遺体には通常の殺人とは違う細工が施され、犯人は一定の決まりに従って次の被害者を選んでいました。
蕭北冥たちは殺された女性たちの出身や家族、結婚相手などを調べたることに。
兵士呪殺事件
かつて同じ軍に所属していた兵士たちが奇妙なものを見たり異常な行動をしたりしたあと相次いで死亡しました。
生き残った兵士まで同じ症状を見せたため周囲では呪いを受けたという噂が広がり、蕭北冥たちが調査を開始します。
幽霊鏢車事件
夜中になると正体不明の鏢車が現れ途中で突然見えなくなるという出来事が起こりました。
鏢車とは金品や荷物を護衛しながら運ぶための車です。何もない場所から姿が見えなくなるため、幽霊の仕業だという噂まで広がります。
蕭北冥たちは鏢車が通った道、目撃された時刻、荷物を運んでいた人物を調べます。
天罰焼死事件
人が異様な状態で焼け死ぬ事件が起こります。遺体の状態が通常の火事とは違っていたため周囲では「天罰を受けた」と考える者も現れました。
蕭北冥たちは遺体がどのように焼けたのか、現場に何が残されていたのか、被害者が誰と関係していたのかを調べます。
海崖怪異事件
蕭北冥たちはかつて多くの人が命を落とした海崖について調べるため、現地へ向かいます。ところが海崖周辺では人を襲う正体不明の怪物が現れ、生き残った人々を苦しめていました。
怪物の正体を追ううちに、蕭北冥たちは長いあいだ隠されてきた海崖の過去に関わる事実を知ることになります。
20年前におきた海崖の惨事とは別の事件ですが。全く無関係というわけでもなさそう。
四象事件
終盤では「四象」と呼ばれる青龍、白虎、朱雀、玄武に関係する事件が起こります。
蕭北冥たちはそれまでに調べてきた事件の犯人、海崖の生き残り、夜煞の名を使った人物を調べた結果、現在の事件を起こしている者の正体を突き止めます。
ドラマに関わる重大事件
蕭北冥が調査する7つの事件とは別に、過去の大事件や蕭北冥自身が犯人にされてしまう出来事も存在します。
風波湖事件:蕭北冥の運命が変わる
ドラマ序盤で描かれる事件。
蕭北冥は神捕営の捕吏として「血涙像事件」を調べていました。鍾雪漫との婚礼の日。風波湖で蕭北冥の師匠・鍾雲赤を含む複数の人物が命を落とし、その場にいた蕭北冥が犯人として疑われました。この事件によって蕭北冥は夜煞とされ、朝廷から追われる身になります。
海崖の惨事:夜煞の復讐の原因?
海崖の惨事は風波湖事件より以前に海崖で起きた大きな事件です。多くの住民が命を落としましたが、詳しい事情は長いあいだ公にされませんでした。
夜煞による一連の事件にはこの海崖で起きた出来事が深く関係していると思われます。
ドラマ序盤では海崖で何が起きたのか詳しく語られません。蕭北冥たちが事件を調べるにつれて、鍾雲赤ら風波湖で殺された人物たちと海崖との関係が明らかになっていきます。
定風波の見どころ
怪異に見える事件を蕭北冥たちが解明
石像から血の涙が流れたり、兵士が奇妙な症状を見せたりするため、最初は妖術や呪いが原因にも見えます。
でも蕭北冥たちは超常現象や呪いだとは決めつけずに遺体の状態や現場に残された物、被害者の行動を調べて仕掛けを暴いていきます。
怪異事件と思えても結局は人間の仕掛けたもの。そのトリックを暴いていくのがこのドラマの面白みともいえます。
名探偵の蕭北冥自身が容疑者
蕭北冥は事件を調査する役人ですが、風波湖事件では自分自身が殺人犯にされてしまいます。そのため身を隠しました。
でもまた夜煞のものと思われる事件が起きたので戻ってきました。でも相変わらずお尋ねもののため、表立って行動はできません。そこで鍾雪漫や仲間たちの協力を得ながら、夜煞の正体と自分が陥れられた理由を調べるのでした。
蕭北冥と鍾雪漫は以前と同じ関係に戻れる?
蕭北冥と鍾雪漫は幼なじみで結婚する予定でした。ところが鍾雪漫の父・鍾雲赤たちが殺され、彼女は蕭北冥が凶器を持ってその場にいたのを観ました。
二人の関係は一端はそこで壊れてしまいます。
風波湖事件から3年後、鍾雪漫は蕭北冥を父の仇として探しています。再会後は一度は殺そうとしましたが。蕭北冥は自分が鍾雲赤を殺していないと訴え、新しく起きた事件を調べながら真犯人を探そうとします。
その後、鍾雪漫も蕭北冥と行動するうちに父を殺したのは別の人ではないかと思うようになりました。そして真犯人が判明すると、鍾雪漫は自分の思い込みを悔やみ、二人はお互いを信じて一緒に事件を調べるようになります。
定風波の大亓は実在する?
ドラマの舞台になる大亓(だいき)は架空の国です。
蕭北冥、鍾雪漫などの人物や神捕営などの組織もドラマのために作られた設定です。特定の中国王朝で実際に起きた事件を描いた作品ではありません。
中国の歴代王朝には犯罪捜査や治安維持に関わる役人がいました。地方の役所では役人が事件を調べ、捕吏などが容疑者の捜索や逮捕に関わることもありました。
また中国では、包拯や狄仁傑のような実在人物を優れた裁判官や事件を解決する人物として描く物語が長く作られてきました。
「定風波」も、役人が殺人事件を調べて犯人の手口を明らかにする中国の探偵ものに近い作品です。ただし、大亓で起きる事件や登場人物は創作です。

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