中国ドラマ『瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~』は、清王朝の第6代皇帝・乾隆帝の後宮を舞台にした宮廷ドラマです。
ヒロインの魏瓔珞は、宮中で亡くなった姉の死について調べるため、自ら宮女となって紫禁城に入ります。
そこで出会うのが乾隆帝の皇后・富察氏と、その弟の富察傅恒。さらに乾隆帝の側室たちも皇后の座や皇帝の寵愛をめぐって争っています。
中国の皇后や妃の名前は似ているうえに、途中で位が変わる人物もいます。誰が誰と対立しているのか分からなくなることもありますね。
この記事では『瓔珞』の主な登場人物とキャスト、ドラマでの立場、歴史上の人物について紹介します。
※本記事は物語後半までのネタバレを含みます。
この記事で分かること
- 『瓔珞』の主要キャストと登場人物
- 魏瓔珞・乾隆帝・富察傅恒の関係
- 富察皇后・嫻妃・高貴妃など後宮の女性たち
- ドラマの登場人物と歴史上の人物との違い
『瓔珞』主要人物とキャスト・相関図
相関図
物語の中心にいるのは乾隆帝と皇后富察氏、その侍女になった魏瓔珞です。
瓔珞は皇后の弟・富察傅恒と互いに思いを寄せるようになります。一方、乾隆帝も瓔珞を気にするようになり、やがて瓔珞は乾隆帝の側室になります。
後宮では富察皇后を中心に、高貴妃、嫻妃、純妃、愉妃、嘉妃たちが暮らしています。それぞれの立場や皇帝との関係が違うため、協力する相手も物語が進むにつれて変わっていきます。
『瓔珞』はどんなドラマ?
魏瓔珞は、宮中に仕えていた姉・魏瓔寧が亡くなったことに疑問を持っています。
姉に何が起きたのか自分で確かめるため、瓔珞は宮女となって紫禁城へ入りました。
瓔珞は刺繍工房で働いた後、皇后富察氏に認められて長春宮に仕えるようになります。富察皇后は瓔珞を守るだけでなく、宮廷で生きていくために必要なことを教える存在にもなりました。
皇后の弟・富察傅恒とも親しくなり、二人は互いを思うようになります。しかし瓔珞の人生には乾隆帝も深く関わってきます。
物語後半では瓔珞自身が乾隆帝の側室となり、令妃へ昇進。皇后となった輝発那拉氏との対立も描かれます。
『瓔珞』主要キャスト一覧
| 登場人物 | キャスト | 立場 | 主な関係 |
|---|---|---|---|
| 魏瓔珞 | 呉謹言 | 宮女から乾隆帝の側室へ | 姉の死について調べるヒロイン |
| 乾隆帝 | 聶遠 | 清朝第6代皇帝 | 富察皇后の夫。後に瓔珞を側室にする |
| 富察傅恒 | 許凱 | 皇后富察氏の弟 | 瓔珞と互いに思いを寄せる |
| 皇后 富察氏 | 秦嵐 | 乾隆帝の皇后 | 瓔珞を侍女として迎え保護する |
| 嫻妃 輝発那拉氏 | 余詩曼 | 乾隆帝の妃 | 後に皇后となり瓔珞と対立 |
| 高貴妃 | 譚卓 | 乾隆帝の貴妃 | 富察皇后と対立する |
| 純妃 蘇氏 | 王媛可 | 乾隆帝の妃 | 富察皇后と親しく傅恒に思いを寄せる |
| 愉妃 珂里葉特氏 | 練練 | 乾隆帝の妃 | 瓔珞に助けられ親しくなる |
| 舒妃 葉赫那拉氏 | 李春嬡 | 乾隆帝の妃 | 瓔珞を嫌い何度も張り合う |
『瓔珞』の主要人物
魏瓔珞(ぎ・えいらく)
演:呉謹言(ウー・ジンイェン)
ドラマのヒロイン。
宮中で亡くなった姉・魏瓔寧の死について調べるため、自ら宮女になって紫禁城へ入ります。
瓔珞は身分の高い相手にも言いたいことを言う性格です。自分を陥れようとした相手には、そのまま泣き寝入りせず、自分で証拠を見つけて仕返しします。
皇后富察氏に才能を認められると長春宮の侍女になりました。富察皇后は瓔珞の姉の死にも理解を示し、宮中で瓔珞を守ります。
皇后の弟・富察傅恒とは互いに思いを寄せます。しかし二人は結婚できませんでした。
富察皇后の死後、瓔珞は乾隆帝の側室となります。その後は令妃となり、後宮で大きな地位を占めるようになりました。
歴史上の孝儀純皇后魏氏
歴史上のモデルは孝儀純皇后魏氏です。
「魏瓔珞」という名前はドラマで付けられた名前で、歴史上の本名は分かっていません。
魏氏の家は満洲旗人に仕える漢人の家でした。その後、魏氏は乾隆帝の後宮に入り、貴人、令嬪、令妃、令貴妃、皇貴妃へと昇進します。
魏氏は乾隆帝との間に皇子や皇女を産みました。その一人が永琰です。永琰は後に清朝第7代皇帝・嘉慶帝になります。
魏氏は生前には皇后になっていません。しかし死後に皇后の地位を与えられ、孝儀純皇后と呼ばれるようになりました。
さらに知りたい方はこちらをどうぞ。
・孝儀純皇后:瓔珞(エイラク)のモデルになった清の皇后
乾隆帝(けんりゅうてい)
愛新覚羅・弘暦
演:聶遠
清朝第6代皇帝。
本名は愛新覚羅弘暦。父は雍正帝・胤禛、母は孝聖憲皇后・鈕祜祿氏です。
皇后富察氏を大切にしていますが、皇帝という立場もあって感情だけで行動することはできません。
最初のころは、何をするか分からない瓔珞を警戒しています。ところが瓔珞と何度も顔を合わせるうちに、瓔珞のことが気になるようになります。
富察皇后の死後、瓔珞を側室に迎えます。二人は何度も対立しますが、長く一緒に過ごすうちに互いの考えを理解するようになりました。
歴史上の乾隆帝
乾隆帝は1735年に皇帝となり、清王朝が最も栄えた時代を治めました。
祖父の康熙帝、父の雍正帝から受け継いだ国を治め、中国各地だけでなく中央アジア方面にも清の支配を広げています。
長い在位期間を持つ皇帝ですが、晩年には政治上の問題も増えていきました。
富察傅恒(フチャ・ふこう)
演:許凱
皇后富察氏の弟。
乾隆帝に仕える侍衛として登場します。瓔珞は姉の死を調べている途中で傅恒を疑います。しかし傅恒が犯人ではないことが分かり、二人は次第に親しくなりました。
傅恒は瓔珞との結婚を考えますが、瓔珞を守るために別の女性との結婚を受け入れたため二人が夫婦になることはありませんでした。その後の傅恒は武将として戦場へ向かい、乾隆帝を支えることになります。
歴史上の富察傅恒
富察傅恒は孝賢純皇后富察氏の弟。
乾隆帝の側近として出世し、軍機大臣などを務めました。金川方面やミャンマーとの戦争にも関わり、乾隆帝から大変信頼されていました。
傅恒と孝儀純皇后魏氏が恋愛関係にあったという記録はありません。この部分はドラマ独自の設定です。
富察傅恒についてさらに知りたい方はこちら。
・富察傅恒:乾隆帝の絶大な信頼を得た将軍
後宮の人たち
皇后 富察氏
ドラマの皇后 富察・容音
演:秦嵐
乾隆帝の皇后。
穏やかな性格で、宮女にもむやみに厳しく接することはありません。瓔珞の賢さに気づくと自分の侍女にします。姉を亡くした瓔珞の気持ちにも理解を示し、瓔珞が後宮で生きていけるよう何度も助けました。
瓔珞にとって富察皇后は主人であると同時に姉のように慕う人物になります。
ところが富察皇后は子供をめぐる事件で大きな苦しみを抱えます。後宮で起きた出来事が重なり、最後には自ら命を絶ちました。
歴史上の孝賢純皇后 富察氏
乾隆帝の最初の皇后。
質素な生活を好み、乾隆帝との夫婦仲も良かったと伝わっています。富察皇后が亡くなると乾隆帝は大きな悲しみを見せました。皇后の死後もたびたび詩を作り、富察氏を思っています。
孝賢純皇后富察氏についてさらに知りたい方はこちら。
・孝賢純皇后 富察氏(フチャ氏):乾隆帝に愛された清の皇后
嫻妃 輝発那拉氏
ドラマの嫻妃 輝発那拉・淑慎
演:余詩曼
乾隆帝の妃。
物語の最初では争いを好まず、皇后富察氏とも良い関係を保っています。
ところが高貴妃との争いに家族まで巻き込まれました。身内を守ることができなかった経験から、嫻妃の考え方は大きく変わります。
その後は自分の立場を守るためなら相手を陥れることもためらわなくなりました。
富察皇后の死後に新しい皇后となり、物語後半では瓔珞の大きな敵になります。
歴史上の継皇后 輝発那拉氏
歴史上の輝発那拉氏も、富察皇后の死後に乾隆帝の皇后になった女性です。
皇后になった後は乾隆帝の巡幸にも同行しています。
ところが乾隆30年の南巡中、乾隆帝との間で大きな問題が起きました。北京へ戻った後は皇后としての待遇をほとんど失います。
乾隆帝と何があったのか詳しい事情は分かっていません。
同じ女性を主人公にしているのが中国ドラマ『如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~』です。
嫻妃 輝発那拉氏についてさらに知りたい方はこちら。
・嫻妃 輝発那拉氏:乾隆帝の怒りをかって地位を奪われた悲劇の皇后
高貴妃
ドラマの貴妃 高寧馨
演:譚卓
ドラマ前半で瓔珞たちと対立する妃です。
乾隆帝の寵愛と皇后の座を求め、富察皇后を敵視しています。
高貴妃は自分で相手に手を下すだけでなく、嘉嬪など周囲の妃も利用します。嫻妃の家族にも被害が及び、その後の嫻妃を変える原因にもなりました。
歴史上の慧賢皇貴妃 高氏
歴史上の高氏は乾隆帝の側室です。
皇后富察氏や皇太后との関係も悪くなかったようで、ドラマのように富察皇后と激しく争ったという記録はありません。
皇貴妃になることが決まりましたが、正式な儀式を迎える前に亡くなりました。
貴妃高氏についてさらに知りたい方はこちら。
・貴妃高氏は乾隆帝の寵愛を受けた世あたり上手な側室だった?
純妃 蘇氏
ドラマの純妃 蘇静好
演:王媛可
富察皇后と親しく、物語の最初では後宮の争いにもあまり加わりません。
純妃が本当に思っている相手は乾隆帝ではなく富察傅恒です。
しかし傅恒は瓔珞を選びます。純妃は傅恒との関係を望めないことを知り、瓔珞への態度を変えていきました。
その後は皇后となった輝発那拉氏に協力し、瓔珞たちと対立します。
純妃 蘇氏についてさらに知りたい方はこちら。
・純恵皇貴妃 蘇氏:母子そろって結核に苦しんだ妃
愉妃 珂里葉特氏
ドラマの愉貴人
演:練練
後宮ではあまり強い立場にいない妃です。
高貴妃たちから狙われたとき、瓔珞に助けられました。その後は瓔珞を信頼するようになり、後宮で瓔珞を支える人物になります。
愉妃 珂里葉特氏についてさらに知りたい方はこちら。
・愉貴妃:乾隆帝と最も長く連れ添った妃
嘉妃 金氏・小嘉嬪
嘉妃は自分と息子を守るため、高貴妃に協力しています。
高貴妃の命令を受けて後宮の事件にも関わりますが、やがて嫻妃から追いつめられます。
その後は嘉妃によく似た妹の小嘉嬪が宮中に入り、瓔珞と対立します。
嘉妃金氏についてさらに知りたい方はこちら。
・淑嘉皇貴妃 金氏:ドラマの悪女は意外とおとなしかった?
舒妃 葉赫那拉氏
ドラマの納蘭淳雪
演:李春嬡
名家出身の妃です。
瓔珞が宮中で働くようになると何度も張り合います。瓔珞を好んではいませんが、高貴妃のように大きな事件を次々に起こす人物でもありません。
歴史上の舒妃 葉赫那拉氏
歴史上の舒妃は満洲族の名門・葉赫那拉氏の出身です。
若くして乾隆帝の後宮に入り、皇太后からも認められていました。
舒妃についてさらに知りたい方はこちら。
・舒妃 葉赫那拉(納蘭)氏:名家出身のお嬢様妃は乾隆帝の寵愛が薄かった?
皇族・宮廷の人たち
裕太妃 耿氏
和親王・弘昼の母。
息子を守ろうとして宮中の事件に関わります。表向きは穏やかな女性ですが、弘昼に問題が起きると瓔珞たちとも対立しました。
歴史上の耿氏は雍正帝の側室です。乾隆帝の時代まで生き、乾隆帝からも厚遇されました。
・純懿皇貴妃 耿氏(裕太妃)96歳まで生きたご長寿妃の処世術
和親王・弘昼
乾隆帝の弟。
瓔珞の姉・魏瓔寧が亡くなった事件に関わる人物で、瓔珞が宮中へ入った大きな理由にもなっています。
皇族という立場を利用して問題を起こすことがあり、瓔珞は姉のために弘昼へ復讐しようとします。
歴史上の弘昼も乾隆帝の弟です。変わった行動をしたという逸話はいくつも残っていますが、ドラマで描かれる魏瓔寧の事件は創作です。
海蘭察(ハイランチャ)
富察傅恒の友人で、宮中に仕える武人です。
傅恒と一緒に行動することが多く、瓔珞たちの事件にも関わります。
歴史上の海蘭察はエヴェンキ出身の武将です。乾隆帝の時代に各地の戦いへ参加し、軍功をあげました。
『瓔珞』の時代背景
乾隆帝の時代を舞台にしたドラマ
『瓔珞』の舞台は18世紀の清王朝です。
日本では江戸時代の中ごろから後半にあたり、徳川吉宗、家重、家治たちが将軍だったころと重なります。
清では第6代皇帝・乾隆帝が国を治めていました。
康熙帝、雍正帝、乾隆帝の三代は清王朝が大きく発展した時代です。『瓔珞』では、その華やかな宮廷の中で皇后や妃、宮女たちが暮らす様子が描かれています。
『如懿伝』とは同じ乾隆帝の後宮
『瓔珞』と同じ乾隆帝の時代を描いているのが『如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~』です。
二つのドラマは続編の関係ではありません。
同じ乾隆帝と后妃たちを題材にしていますが、主人公が違います。
『瓔珞』では魏瓔珞、つまり歴史上の孝儀純皇后魏氏が主人公です。
『如懿伝』では乾隆帝の継皇后となった女性が主人公になっています。そのため『瓔珞』では後半の敵になる嫻妃が、『如懿伝』では物語の中心人物になります。
清朝宮廷ドラマを時代順に見ると?
清王朝を舞台にしたドラマは数多くあります。
第4代 康熙帝
・宮廷女官 若曦
・花散る宮廷の女たち
・宮廷の茗薇
第5代 雍正帝
・宮廷女官 若曦
・花散る宮廷の女たち
・宮廷の諍い女
・如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~
第6代 乾隆帝
・如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~
・瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~
『宮廷の諍い女』で描かれる雍正帝の次に即位するのが、『瓔珞』の乾隆帝です。
乾隆帝の母・鈕祜祿氏も『瓔珞』に皇太后として登場します。そのため清朝宮廷ドラマを見ていると、別の作品で見た人物やその子供たちが登場することもあるんですね。
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