『承歓記』最終回・第37話では、劉婉玉が若い頃に諦めた歌の夢を承歓が初めて知り、家族みんなで婉玉がもう一度舞台に立てるよう準備します。娘の結婚や仕事に口を出していた母と母を怒らせないよう我慢していた娘。その二人が最後にはお互いを大切にしながら、自分のことは自分で決める関係になったのが印象に残りました。
結婚式ではなく、毛咏欣と丁丁まで加わった麦家の中秋節を最後にしたところが『承歓記』らしい終わり方でした。
承歓記 最終回 家族は永遠に あらすじ
婉玉が諦めた若い頃の夢
承歓と姚志明は婉玉が懐かしんでいた「馮氏臭鱖魚」を作っていた馮師傅を探し出します。店はすでに人へ譲られていましたが、馮師傅の娘は承歓を見て婉玉の娘だと気づき、若い頃の話を聞かせてくれました。
婉玉は歌が得意で戯曲を学ぶ学校にも合格していました。しかし家には進学させるお金がなく、入学を諦めて上海へ働きに出たといいます。承歓が知っていたのは母親になってからの婉玉です。その前に歌を学びたいと思っていた時期があったことを初めて知ったのでした。
臭鱖魚と昔の舞台
馮師傅から作り方を教わった承歓は、姚志明と一緒に臭鱖魚を作ります。婉玉は娘が作った料理を気に入り残さず食べました。
さらに婉玉は、かつて自分が歌っていた舞台を訪れます。承歓も母のもとへ行きますが、上海へ帰って治療を受けろとは言いませんでした。
家族が用意した舞台
その夜、麦来添は婉玉を昔の舞台へ連れて行きます。承歓と姚志明は影絵を使って家族との年月を紹介し、承早は舞台衣装を準備。昔一緒に演奏していた人まで集まりました。
婉玉は衣装を着て舞台に立ち、黄梅戯『女駙馬』を歌います。ここまで準備万端だと少し出来すぎにも見えますが、家族のために自分の希望を諦めてきた婉玉に今度は家族が歌う機会を用意したわけですね。
舞台のあとには花火も上がり婉玉は家族全員の健康を願います。そして翌朝、ようやく上海へ戻ると決めました。
手術成功から一年後
上海へ戻った婉玉は手術を受け、腫瘍は無事に切除されます。それから一年後、検査結果も良好でした。
尚村には興安里花園酒店と越達国際酒店が共同で建設したリゾートホテルも完成します。承歓は経営に参加し姚志明も開業式に出席。二人は仕事でも同じ事業に関わるようになりました。
家族がそろった中秋節
承歓は婉玉に、これからは母親として家族のためだけに生きず自分がやりたいことも大切にしてほしいと伝えます。
中秋節には麦家の食卓へ毛咏欣と丁丁も加わり、麦来添は二人を正式に家族として迎えました。婉玉は承歓と姚志明にも早く結婚するよう催促しますが、承歓は話題を変えてしまいます。
その後は麦家の家族がそろって中秋節を過ごす場面でドラマは終ります。
最後まで結婚式を用意しなかったのは意外でした。でも『承歓記』が最後に描いたのは結婚そのものより、承歓が仕事を続け、婉玉も自分の希望を持ち、家族が同じ食卓に集まれるようになった姿でした。
承歓記 主要人物の結末
麦承歓
母が若い頃に歌を学びたかったことを知りって姚志明や家族と協力して婉玉が再び歌える舞台を用意しました。
一年後には姚志明とともに尚村のリゾートホテル事業に参加しています。姚志明との交際も続いていますが、劇中では二人は結婚していません。
姚志明
承歓と一緒に婉玉を支えて臭鱖魚作りや舞台の準備にも協力します。
一年後には尚村の新しいホテルの開業に関わり、承歓と仕事でも協力しています。中秋節には麦家の食卓にも加わっています。
劉婉玉
若い頃は戯曲学校に合格していましたが、家庭の経済事情から進学を諦めました。
最終回では昔の舞台で『女駙馬』を歌い、その後、上海へ戻って治療を受けることを決めます。手術は成功、一年後も経過は良好です。
麦来添
治療を受けようとしない婉玉を心配していますが、妻がもう一度舞台で歌えるよう家族と協力します。
ラストでは毛咏欣と丁丁を正式に家族として迎える意思を伝えました。
麦承早
母のために舞台衣装を準備します。一年後も家族と一緒に婉玉の検査に付き添っています。
毛咏欣と丁丁との関係も続いていて中秋節には三人そろって麦家の食卓に参加しました。
毛咏欣と丁丁
毛咏欣と丁丁も麦家の中秋節の食事に招かれます。
麦来添が二人を正式に家族として迎えると話したので、麦家の人々も承早との関係を受け入れられています。
ラストシーンの意味
最後に描かれるのは中秋節に麦家の人々が食卓を囲む場面です。婉玉と麦来添、承歓と姚志明それに承早、毛咏欣、丁丁も一緒にいます。
物語の序盤では婉玉が子供たちの結婚や仕事に口を出して承歓や承早と衝突することが何度もありました。最終回では婉玉の病気をきっかけに、今度は子供たちが母の希望を知って舞台を準備しています。
さらに毛咏欣と丁丁も麦家に迎えられました。最後の食卓は、これまでお互いの考えを押し付けて衝突してきた家族が、それぞれの考えを認めて一緒に暮らしていくことを表現しているのでしょうね。
『承歓記』はハッピーエンド?
『承歓記』はハッピーエンドといえますね。
承歓と姚志明は結婚はしてませんが、交際を続けながら尚村のホテル事業にも一緒に取り組んでいます。
婉玉は手術を受けて回復し、若い頃に諦めた歌も披露できました。承早と毛咏欣の関係も麦家に受け入れられ、丁丁も家族として迎えられます。
誰かが家族のために希望を諦めたりはせずに、それぞれが自分で選んだ生活を続けながら家族として付き合っていく結末になりました
最終回の注目点
いちばん大きく変わったのは承歓と婉玉の母娘関係
ドラマの最初では婉玉が承歓の恋愛や結婚にかなり口を出していました。娘の幸せを願っているのはわかるんですが、承歓が何を考えているかより「母親の自分がこうしてあげたい」という気持ちの方が強いんですよね。
承歓も母に不満を持ってはいますが、あんまり強く逆らうことは少なくて母を怒らせないように我慢することが多かったです。
でもドラマが進むにつれて承歓は仕事も恋愛も自分で決めるようになりました。興安里の経営を引き受けて姚志明との交際も自分の意思で決めたものです。最初の承歓なら、こんな対応はなかなかできなかったでしょう。
婉玉の方も変わっています。承早と毛咏欣の交際を知ったときには反対せず、丁丁の親権を取り戻せるよう助けなさいと息子に勧めました。以前なら相手の条件や家族についてあれこれ言いそうなのに、子供本人が選んだ相手を受け入れています。
ドラマの最初では、婉玉が承歓の恋愛や結婚に口を出して娘の人生を自分の考えに従わせようとしていました。それが最後には承歓は自分の仕事や恋愛を自分で決められるようになり、今度は母にも「自分のことは自分で決めてほしい」と言えるようになります。
母が娘の人生を決めようとしていたのが母も娘もそれぞれ自分の人生は自分で選ぶ関係へ変わったのではないでしょうか。
もちろん婉玉も180度かわったわけではなくて、相変わらず結婚を催促したりはします。そこは婉玉らしいですが、承歓ももう母の言いなりにはなりません。
この母娘が離れるのでも従わせるのでもなく、お互いを大切にしながら自分のことは自分で決めるようになったというのが、ドラマを通してのいちばん大きな変化だったと思います。
婉玉にも母親になる前の夢があった
馮師傅を訪ねた承歓は婉玉が若い頃に歌を学びたがっていたことを知ります。
学校にも合格していたのに家に進学させるお金がなく、上海へ働きに出ました。故郷を離れる婉玉のために馮師傅が作ったのがあの臭鱖魚でした。
ここで臭鱖魚が出てくるのもいいですよね。婉玉が食べたがっていた料理を探したら、娘の知らなかった母の過去まで出てきたとは。
しかも承歓は作り方を教わり、自分で臭鱖魚を作ります。婉玉がそれを残さず食べるところも母娘の関係が良くなったということなのでしょう。
家族が用意した舞台は少し出来すぎ?
婉玉が昔歌っていた舞台には麦来添だけでなく承歓、姚志明、承早まで協力して準備をしていました。影絵を使った催しがあり、舞台衣装まで用意され、昔一緒に演奏していた人まで来ています。
ここまで全部そろうと「そんなに準備できたの?」とは思います。
それでも家族のために歌を諦めた婉玉が今度は家族に勧められて舞台へ立つというのは最終回らしいとは思います。
黄梅戯『女駙馬』を歌い終えた婉玉は、その翌朝に自分から上海へ帰ることにしました。家族に強制されたわけでもなく、本人が治療を受けると決めたところも大事でしょう。
承歓と姚志明は結婚しないまま
承歓と姚志明は最後まで結婚式を挙げませんでした。
婉玉から早く結婚するよう言われても承歓は話題を変えます。ここで結婚式を入れて恋愛の結末にすることもできたはずですが、『承歓記』はそうしませんでした。
二人は尚村の新しいホテル事業にも一緒に参加しています。承歓は興安里で経験を積み、今度は別のホテルの経営にも関わる。姚志明とも恋人として付き合いながら、仕事でも協力しています。
結婚だけがゴールではないと言うことなのでしょう。
したから終わり、という締め方にしなかったのは、このドラマには合っていたと思います。
最後は結婚より家族の食卓
一年後、婉玉の経過は良好で尚村には新しいリゾートホテルも完成しました。
そして中秋節には麦家の食卓に毛咏欣と丁丁も加わります。麦来添も二人を正式に家族として迎えると話しました。
最初の麦家では婉玉が子供の恋愛や結婚に口を出し、それをきっかけに家族が何度も言い争っていました。それが最後には、承早が選んだ毛咏欣とその娘まで同じ食卓にいます。
承歓と姚志明の結婚式より、この場面を最後に持ってきたのもこのドラマらしいかも知れません。
『承歓記』は最初から最後まで親が子供をどう見るのか、子供が親とどう付き合うのか、そして結婚や血縁だけでなく誰を家族として迎えるのか。といったことがテーマとしてあったように思います。
最後の場面ではその答えを麦家の食卓という形で表現したのでしょう。
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