中国ドラマ 武則天 The Empress の全82話あらすじ ネタバレを、4話ごとのリンク付きで紹介します。
この記事では武如意が唐の後宮に入り太宗 李世民、高宗 李治との関係を経て女帝 武則天となるまでの流れをネタバレありでまとめました。
最終回の結末、主要人物の最後、ドラマと史実の違いも紹介するので、途中で見るのをやめた人や最終回だけ確認したい人にもおすすめです。
皇帝 武則天が過去を回想する
ドラマは武周王朝の時代から始まります。
武則天は権力を握っていましたが、その立場が永遠でないことは分かっていました。
宰相の張柬之は武則天の独裁的なやり方に不満を持ち李氏の天下の復活を試みます。彼は武則天の息子、皇太子 李顕に反抗を促します。そして張柬之たちは年老いた武則天の寝室に押し寄せ、退位を求めるのでした。
しかし、武則天はこの時が来ることを予感していました。結局、彼女は退位を決意します。
張柬之は退位を迫っただけなので、武則天は廃されたわけではありません。このとき張柬之たちは位を皇太子に譲位する代わりに皇帝 武曌(ぶ・しょう:武則天の本名)に「則天大聖皇帝」の称号をつけるのを約束しています。武則天と呼ばれるのもそのため。
退位を決意した武則天が思うものは?
かつては強大な権力を握り中国を支配した女帝も時が経つにつれて老いを感じ、政治の舞台から退く決断を下したのです。
退位を決めた武則天は静かに過去を振り返りました。若くして宮廷に入り数々の困難を乗り越え、そして皇帝の座にまで上り詰めました。
その中で深く愛したのは李世民(唐の太宗)と李治(高宗)。武則天の脳裏には二人の男性の姿がよぎります。
そしてドラマの舞台は太宗の治世。貞観年間へと移るのでした。
貞観(じょうがん):唐の太宗の時代の年号。627~649年
宮廷への道と太宗との日々
物語は貞観11年(637年)。14歳の武如意が唐の宮廷に才人として入宮するところから始まります。
若さと美しさを兼ね備えた彼女はすぐに皇帝・李世民(太宗)の目に留まり「媚娘」という名を与えられ寵愛を受けるようになりました。しかし後宮は美しさや才能だけでは渡っていけない世界です。
同僚の死をなすりつけられ掖廷に送られたり(第6話)、周囲の策謀に巻き込まれたりと、次々と試練が降りかかるのでした。
それでも彼女は知恵と冷静さを武器に一つひとつ困難を乗り越えていきます。やがて太宗との間には、ただの寵愛を超えた特別な絆が芽生えますが、「武氏が天下を握る」という予言や権力争いに巻き込まれ二人の関係はギクシャクし始めます。
感業寺から高宗の側室へ
太宗の崩御(第53話)すると武媚娘は慣例に従い出家して感業寺に入ります。表舞台から姿を消しますが、彼女の存在は忘れ去られてはいませんでした。新たに皇帝となった李治(高宗)は媚娘への想いを胸に秘め続けていたのです。
李治は周囲の反発や危険を承知のうえで彼女を宮中へ呼び戻します(第56話)。再び後宮に戻った媚娘は李治からの深い寵愛を受けるようになりますが、それに反発したのが王皇后と蕭淑妃でした。
二人の嫉妬と策謀にさらされた媚娘は生き延びるため、そして愛を守るために巧妙に立ち回っていくようになります。
皇后、そして女帝へ
李治の信頼と寵愛を背景に武媚娘は着実に地位を高めていき、ついには王皇后や蕭淑妃を失脚させ皇后の座を手に入れます(第73話)。
さらに病弱な李治を支えるうちに彼女は朝廷で実権を握るようになり李治の死後、自らが皇帝として即位。国号を「周」と改め、中国史上初めて、そして唯一の女帝・武則天となるのです。
その道のりは決して平坦ではなく多くの犠牲と血が流れた末のものでした。
晩年と結末
女帝として権力を握った武則天ですが、その統治も永遠ではありませんでした。
晩年、臣下たちのクーデターにより退位を迫られます(第1話冒頭)。
武則天は運命を受け入れ、自ら息子に皇位を譲り波乱の生涯を終えたのでした。
波乱に満ちた人生の終わりと彼女の運命に関わった人々の結末は、ぜひ本編や詳細なあらすじで確かめてみてください。
武則天 詳細なあらすじ ネタバレ記事へのリンク
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ドラマ 武則天 あらすじ全話一覧
ドラマ「武則天 The Empress」の各話の詳しいあらすじネタバレは、以下のリンクから見ることができます。物語をさらに知りたい方は、ぜひチェックしてみてくださいね!
武如意が宮女になり太宗の寵愛を受けるまで
第1話 初めての後宮
第2話 劉賢妃 死す
第3話 蘭陵王の仮面
第4話 無謀な発言
第5話 亡き皇后に瓜二つの娘
第6話 捕らわれの身
第7話 謎の刺客
第8話 皇太子妃の悩み
→武則天9・10・11・12話のあらすじ
第9話 主の裏切り
第10話 陛下の償い
第11話 韋貴妃の誤算
第12話 それぞれの決断
→武則天13・14・15・16話のあらすじ
第13話 大朝会の幕開け
第14話 武如意の才覚
第15話 扇を巡る疑惑
第16話 勇士と智者
→武則天17・18・19・20話のあらすじ
第17話 武如意の台頭
第18話 謀反の行方
第19話 不吉な予兆
第20話 李淳風の死
→武則天21・22・23・24話のあらすじ
第21話 韋貴妃の執念
第22話 失われた寵愛
第23話 打ち砕かれた思い
第24話 皇太子の失態
後継者争いと徐慧の暗躍
→武則天25・26・27・28話のあらすじ
第25話 皇太子 弾劾される
第26話 武媚娘の画策
第27話 友情の行く末
第28話 腹心との別れ
→武則天29・30・31・32話のあらすじ
第29話 乾祥宮からの招待
第30話 徐慧 暗躍する
第31話 皇太子の本心
第32話 最後の献策
→武則天33・34・35・36話のあらすじ
第33話 すり替えられた紙片
第34話 謀反決行
第35話 善良な弟と邪悪な弟
第36話 武如意と武媚娘
→武則天37・38・39・40話のあらすじ
第37話 称号剥奪
第38話 韋貴妃の失脚
第39話 3人の男たち
第40話 武媚娘の決心
→武則天41・42・43・44話のあらすじ
第41話 怨恨の炎
第42話 楊淑妃の真実
第43話 李恪の選択
第44話 兄弟の別れ
武媚娘が後宮を出る・徐慧との決着
→武則天45・46・47・48話のあらすじ
第45話 愛する人を追って
第46話 武媚娘の申し出
第47話 再び皇宮へ
第48話 出所の分からない密書
→武則天49・50・51・52話のあらすじ
第49話 大臣たちの嘆願
第50話 涙の決別
第51話 募る想い
第52話 駆け落ちの結末
高宗の時代
→武則天53・54・55・56話のあらすじ
第53話 太宗崩御
第54話 胸に秘めた想い
第55話 腹心の奏上
第56話 新たな火種
第57話 帝王の術
第58話 皇后からの贈り物
第59話 渦巻く妬み心
第60話 李治の告白
第61話 李世民の遺詔
第62話 武媚娘の作戦
第63話 増していく不信感
第64話 李忠の裏切り
→武則天65・66・67・68話のあらすじ
第65話 哀れな皇帝
第66話 深まる絆
第67話 思いもよらぬ刺客
第68話 女児誕生
→武則天69・70・71・72話のあらすじ
第69話 道士の正体
第70話 高陽公主への疑念
第71話 交錯する嘘と真実
第72話 裏切り者の末路
最終章:皇后から皇帝へ
第73話 皇后 武媚娘
第74話 広まる誤解
第75話 新たな皇太子
第76話 敵が知己に
第77話 賢臣の幕引き
第78話 魔性の女
第79話 深まる心の溝
第80話 繰り返される惨劇
第81話 すれ違う心
第82話(最終話)そして皇帝へ
登場人物ネタバレ!武則天を取り巻く人々の結末
主要な登場人物たちの運命についてネタバレを含めてご紹介します。
※登場人物の結末はドラマでの描かれ方に基づいています。
武媚娘(ぶ・びじょう)/如意/武則天
演:范冰冰(ファン・ビンビン)
主人公。純粋な少女から後宮の争いを生き抜き、ついには皇帝になります。愛する太宗や高宗との関係、権力を得る過程で多くのものを失いますが、最後まで強い意志を持ち続けます。最終的には自分の意思で退位し波乱の生涯を閉じます(第82話)。
李世民(り・せいみん)/太宗
演:張豊毅(チャン・フォンイー)
唐の2代皇帝。武媚娘を寵愛しますが、予言や臣下の反対もあって二人の関係は疎遠になります。物語序盤で病により崩御します(第53話)。
李治(り・ち)晋王/皇太子/高宗
演:李治廷(アーリフ・リー)
太宗と文徳皇后の息子。後の3代皇帝。武媚娘を愛し危険を冒して彼女を宮廷に戻します。病をかかえつつ武媚娘と共に政治を行いますが、次第に彼女の権力が増していくことに複雑な思いを抱きます。武媚娘に看取られながら息を引き取ります(第82話)。
徐慧(じょ・けい)/賢妃
演:張鈞甯(チャン・チュンニン)
武媚娘の親友でしたが太宗への想いや嫉妬から徐々に武媚娘と対立。前半最大のライバルとなります。陰謀に加担して武媚娘を追い詰めようとしますが、最終的に友情は完全に壊れ、太宗の死後、自害します(第53話)。
韋貴妃(いきひ)
演:張庭(チャン・ティン)
武媚娘が最初に対立する後宮の有力者。権謀術数に長けた強敵ですが最後は姪の蕭薔に陥れられ、失脚。獄中で非業の死を遂げます(第38話)。
王皇后(おうこうごう)と蕭淑妃(しょうしゅくひ)
演:施詩(シー・シー)(王皇后)、張馨予(チャン・シンユー)(蕭淑妃)
高宗の皇后と側室。武媚娘の復権を阻止しようとしますが、武媚娘の巧妙な策略にかかり、二人とも悲惨な末路をたどります(第71話)。
高陽公主(こうようこうしゅ)
演:米露(ミー・ルー)
太宗の娘で、房遺愛の妻。武媚娘と親しくなりますが、密かに弁機という僧侶と愛し合っており、弁機の死後は父や長孫無忌を恨みます。武媚娘に宮廷に留まり復讐するよう唆したり、武媚娘と李治の娘・安定公主を殺害して王皇后に罪を着せようとする(第69話)など暗躍。最終的に謀反を起こしますが失敗し、李治に一度は許されるものの、武媚娘によって処刑されます。
賀蘭敏月(がらんびんげつ)
演:馬思純(マー・スーチュン)
武媚娘の姪(韓国夫人の娘)。母親の死は武媚娘のせいだと恨みを抱き復讐を企てます。武媚娘の引き立てで後宮に入り高宗の寵愛を得ますが、その立場を利用して武媚娘を陥れようとします。玉の腕輪を使った罠や毒茶による暗殺を図りますが(第81話)、武媚娘に見破られて武媚娘によって毒茶を飲まされ最期を迎えます。
個々に紹介した人物以外にも多くの皇子や大臣、後宮の女性たちが登場。それぞれの思惑や行動が武則天の運命を大きく左右します。でも彼らの多くも権力争いの波にのまれてしまい、厳しい運命をたどることになるのです。
くわしいキャスト・登場人物はこちら。
・武則天 ドラマ キャスト・登場人物紹介
ドラマ「武則天」の見どころ
武媚娘と李世民の恋はドラマ最大の脚色
ドラマ前半の中心になるのが武媚娘と李世民の恋です。
史実でも武則天は李世民の後宮に入りました。でも李世民から特別に寵愛された女性だったという記録はありません。ところがドラマではかなり違います。李世民は何度も武媚娘を助け、武媚娘も李世民を心から愛しています。
しかも宮中では「女帝武氏」の予言が広まります。李世民は気にしてませんが臣下がうるさい。好きだからそばに置きたい。でも皇帝としては臣下を無視できず、放置すると武媚娘の立場も危ない。そこで武媚娘を遠ざけるのですが、武媚娘の方は諦めません。
李世民が北方遠征に向かえば、武媚娘も後を追いかけます。
そこまで行きますか。
史実の武則天と李世民の関係を考えるとかなり大胆な設定ですが、この恋愛がドラマ前半の中心です。武媚娘が後の女帝になることを知っているだけに「この二人をそこまで恋愛関係にするのか」と思いながら見るのも、この作品の面白いところです。
徐慧が親友から最大の敵になる
前半で一番気になる女性キャラと言えば徐慧です。
武媚娘と同期に後宮へ入り、最初は義姉妹になるほど仲がいい。宮中で武媚娘が困れば助けるし武媚娘も徐慧を信頼しています。
ところが徐慧も李世民を愛していました。
武媚娘ばかりが李世民から愛されるようになると、その関係を受け入れられなくなっていきます。それでも表向きは武媚娘の親友です。李世民にも誠実に仕えています。
でもその裏で武媚娘を陥れる計画に加わってます。
最初から敵意を見せていた韋貴妃なら武媚娘も警戒できますが、徐慧は味方だと思っているし頭もいい。自分から露骨に敵意を見せません。
武媚娘にとって宮中で最も信頼していた女性が、いつの間にか自分を排除しようとしている。この徐慧との関係は李世民との恋と並ぶ前半の見どころだと思います。
李治の時代は長孫無忌らとの朝廷政治が面白い
李世民が亡くなると、息子の李治が皇帝になります。
若い李治を支えているのが長孫無忌を中心とする有力な重臣たちです。長孫無忌は李世民の時代から朝廷で大きな力を持っていました。李治が即位してもその影響力は簡単にはなくなりません。
そこで李治と武媚娘は長孫無忌ら関隴集団(有力な家柄の人たち)だけに頼らず、科挙などで登用された寒門(格式の低い家柄)出身者を取り立てていきます。
李治と武媚娘が長孫無忌らの影響力をどう弱めて自分たちの政治を行えるようにするのか。中盤以降は朝廷での争いもかなり増えてきます。
王皇后と蕭淑妃との後宮争いが始まる
もちろん李治の時代になっても後宮争いはあります。
中心になるのは李治の正妻・王皇后と、李治から寵愛されている蕭淑妃です。もともとこの二人が争っているところへ武媚娘まで加わります。
しかもドラマでは、武媚娘が李治の子(表向きは先帝の子)を身ごもった状態で宮中へ戻ってきます。
史実を知ってるとかなり大胆な脚色です。
最初は王皇后も蕭淑妃への対抗策として武媚娘を利用しようと考えますが、李治が武媚娘を愛するようになれば、当然そのままでは済みません。今度は武媚娘まで王皇后にとって邪魔な存在になります。
皇后になっても終わらない。今度は息子たちの皇位継承
王皇后を退けた武媚娘は、ついに李治の皇后になります。でも皇后になったら安心とはいきません。
李治が病気になると武媚娘が政務を行う機会が増え、後宮だけでなく朝廷でも存在感を増していきます。李治とともに長孫無忌ら旧来の有力者を失脚させて政治に関わるようになります。
さらに息子たちの問題も出てきます。
李弘、李賢、李顕らが皇太子や皇帝候補となり、母と息子の関係にも皇位継承が絡んできます。母親として息子を見守るだけでは済まない。次の皇帝を誰にするのかという問題がついてきます。
女帝・武則天になるのはかなり最後
タイトルは『武則天』ですが武媚娘が皇帝になるのは最後だけ。
全82話のうち、最後の82話。
遅すぎでしょう。
李治の死後は李顕や李旦が皇帝になりますが、実際の政治を動かしているのは武媚娘。そこから皇太后として権力を握り、ついには自分が皇帝になります。
晩年には武則天と張柬之らによる政変、李唐王朝の復活まで描きます。
これをたった1話でやってしまいます。飛ばしすぎですよ。
ということで、この作品は「武則天が女帝として活躍するドラマ」を想像して見ると、女帝になるまでが異常に長いです。
むしろ武媚娘が李世民の後宮に入り、李治の皇后となり、皇太后として政治を動かし、最後に皇帝になるまでを描いた出世物語と考えた方が近いですね。
ドラマ「武則天」と史実の違い
「武則天 The Empress」には李世民、武則天、李治をはじめ実在した人物が数多く登場します。ただし人物関係や事件の犯人はドラマ用にかなり変更されています。とくに武媚娘を主人公として描くため「いい人・正義の側」に描き、史書で武則天の行為とされる事件を別の人物が起こしたり、設定を変えた場面が目立ちます。
徐慧(徐恵)は武媚娘を裏切ってはいない
ドラマの徐慧は武媚娘の親友として入宮しますが、李世民への思いから武媚娘を妬み、魏王・李泰に協力して親友を陥れるようになります。モデルになった徐恵は文学に優れ、太宗に軍事行動や宮殿建設を控えるよう意見した女性でした。『新唐書』では太宗の死を悲しんで病気になり、24歳で亡くなったとされています。武則天と親友だったことや敵対した記録はありません。

韋貴妃は武媚娘を苦しめた悪女ではない
ドラマの韋貴妃は後宮で大きな力を持ち、武如意を何度も陥れようとする前半の強敵です。実在した韋貴妃は韋珪という女性で、太宗の後宮では皇后に次ぐ高い地位にいました。しかし武則天を迫害したことや、後宮で殺人や陰謀を繰り返した記録はありません。武如意が後宮で戦う相手を作るため、史実とは違う悪役になっています。

「女帝武氏」の予言はあったが武媚娘は疑われていない
ドラマでは「女帝武氏」という予言によって武媚娘が疑われ、重臣たちが李世民に彼女を宮廷から追い出すよう求めます。旧唐書では『女三昌』『当有女武王者』という噂がありました。ただし李世民が疑ったのは武媚娘ではなく、官職や爵位に「武」の字が多かった武将・李君羨でした。武媚娘が疑われたという記録はありません。武媚娘が予言のために追いつめられる展開はドラマの脚色です。
ドラマでは武則天の残酷な行為がかなり減っている
ドラマの武媚娘は相手から命を狙われた結果として反撃することが多く、女帝になってからの粛清もほとんど描かれません。ところが『旧唐書』『新唐書』などは、王皇后や蕭淑妃の殺害、政敵や皇族への厳しい処分を武后の行為として記録しています。後世に書かれた史書なので個々の記述には検討が必要ですが、ドラマが史書よりかなり穏やかな武則天を描いているのは確かです。

高陽公主は実在したが武媚娘の親友ではない
ドラマの高陽公主は武媚娘と親しくなり、弁機を処刑した父・李世民や長孫無忌への復讐を続けます。さらに安定公主を殺し、李恪や房遺愛を巻き込んで兵を挙げます。史実の高陽公主も李世民の娘で房遺愛の妻でした。永徽年間に房遺愛らの謀反事件へ関わり、653年に死を命じられています。ただし武則天の親友だったことや安定公主を殺した記録はありません。

賀蘭敏月は実在人物をもとに作られた
ドラマの賀蘭敏月は武媚娘の姪で、母の死を恨んで伯母への復讐を始めます。李弘との恋愛や毒殺にも関わり、最後は武媚娘から毒茶を渡されて死亡します。モデルになったのは実在した魏国夫人賀蘭氏ですが、「賀蘭敏月」という名前はドラマの設定です。史書には高宗の寵愛を受け、武后によって毒殺されたという記述がありますが、李弘との恋愛や復讐計画は記録されていません。

李世民と武媚娘の大恋愛はドラマの脚色
ドラマ前半では李世民と武媚娘の恋愛が物語の中心になり、李世民は予言を恐れながらも武媚娘を深く愛します。史実の武氏も14歳で太宗の後宮に入り「武媚」と呼ばれました。しかし太宗の在位中は才人のままで、子供も生んでいません。史書にも李世民が武氏を特別に寵愛したという記録は見当たりません。二人を生涯忘れられない恋人として描いた部分はドラマ独自の設定です。
李治と武媚娘の関係は史書にも記録がある
ドラマでは李治が皇子だった頃から武媚娘を慕っています。史実では幼い頃から慕っていたという記録はありません。
皇帝になると感業寺から彼女を呼び戻すのですが、その理由は先帝の子(実は李治の子)を身ごもっているから。史実ではこのとき武媚娘は妊娠していません。
『新唐書』は、皇太子だった李治が父・李世民に仕えていた武氏を気に入り、太宗の死後に感業寺で再会したと記しています。その後、蕭淑妃と争っていた王皇后も武氏を宮中へ戻すことに賛成して呼び戻しました。武媚娘が李世民の側室から李治の妻になったのは事実ですが、その経緯は脚色されています。
王皇后と蕭淑妃の最期は史書の方が残酷
ドラマでは王皇后と蕭淑妃が武媚娘との争いに敗れ、廃位された後に毒酒を下賜されます。史実でも二人は655年に廃されましたが、『旧唐書』『新唐書』にはさらに残酷な最期が書かれています。高宗が二人を助けようとしていると知った武后が、二人を杖で打たせたうえで手足を切り、酒甕に入れて死亡させたという内容です。ドラマはこの有名な逸話を使わず、毒酒による処刑に変更しています。


安定公主を高陽公主が殺したのはドラマだけ
ドラマでは武媚娘と李治の娘・安定公主を高陽公主が殺し、王皇后に罪を着せます。武媚娘自身も長い間、高陽公主を犯人とは知りません。『新唐書』に書かれている話はまったく違います。武昭儀が自分の幼い娘を窒息死させ、直前に子供を抱いていた王皇后を犯人に見せたとされています。ただしこの事件は武則天に敵対的な後世の史書に記された話でもあり、実際に武氏が娘を殺したのかは慎重に考える必要があります。
李弘の死は史実でも武則天毒殺説がある
ドラマでは賀蘭敏月と李賢が李弘の死に関わり、武媚娘は息子を失った側として描かれます。史実の李弘も675年に若くして亡くなりました。後世には武后が李弘を毒殺したという説が生まれ、『新唐書』も毒殺説を採っています。一方、『資治通鑑』を編纂した司馬光は資料によって記述が違うため、「当時の人々は武后が毒殺したと考えた」という慎重な書き方をしました。武則天が犯人だったと断定できる事件ではありません。
高陽公主と弁機の関係には史実の元ネタがある
高陽公主と僧侶・弁機の恋愛は、すべてドラマが作った話というわけではありません。『新唐書』には、高陽公主が房遺愛と結婚した後に弁機と関係を持ち、弁機へ贈った宝物が盗難事件から発覚したとあります。李世民は弁機を処刑しました。ドラマはこの逸話を高陽公主の人生を左右する大恋愛として描き、弁機の死を李世民や長孫無忌への復讐につなげています。後半の復讐劇はドラマ側が加えた内容です。
長孫無忌の失脚は史実でも武則天の皇后即位と関係する
ドラマの長孫無忌は武媚娘を警戒して対立しますが、後には李治と武媚娘に協力する場面もあり、最後は流刑となります。
史実でも長孫無忌は武昭儀を皇后にすることへ反対しました。武氏が皇后になった後、武后側の許敬宗が長孫無忌を謀反事件へ結びつけ、高宗は659年に官爵を奪って黔州へ送りました。
長孫無忌はその後、自害に追い込まれています。ドラマよりも武后側との政治対立がはっきりしています。
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