中国ドラマ『承歓記(しょうかんき)~人生最高の出会い~』は母の期待に応えながら生きてきた麦承歓(マイ・チョンホワン、演:ヤン・ズー)が恋愛や仕事、家族との衝突を経験して自分の人生を歩みだすまでが描かれます。
麦承歓には恋人の辛家亮(シン・ジアリアン)がいますがうまくいかず、彼女の前には上司の姚志明(ヤオ・ジーミン、演:シュー・カイ)が現れるのでした。
この記事では『承歓記』全37話のあらすじを、最終回の結末までネタバレありで紹介します。
この記事で分かること
- 『承歓記』全37話のあらすじとネタバレ
- 麦承歓と姚志明、辛家亮たち主要人物の関係
- 最終回で麦家と姚志明がどうなるのか
- 「承歓」という題名に込められた意味
承歓記 あらすじ ネタバレ
『承歓記』は2024年に中国で放送された全37話の現代ドラマです。主人公の麦承歓をヤン・ズー、姚志明をシュー・カイが演じています。
現代の上海で母と娘の価値観がぶつかる
主人公の麦承歓は29歳。上海の一流ホテル「ボッティチェリ・ホテル」で働き、両親と弟の麦承早と暮らしています。仕事はきちんとこなし周囲にも気を配れる女性ですが、家に帰ると面倒な親が待っています。
母の劉婉玉は、とにかく娘の生活に干渉しまくりです。恋人との付き合い方から結婚、仕事まで「娘のため」と思えば先走って自分が決めようとする。承歓も母を嫌っているわけではないので強く拒めず、最初のうちは我慢することが多いです。
ここは見ていてかなり気になりました。29歳の娘にここまで口を出すのかと思いますし、承歓も承歓で、なぜそこまで母に従うのだろうと思うことがあります。ただ、この母娘の関係こそ『承歓記』の中心になるテーマなんですよね。恋愛ドラマのように思えますが、見ていくとむしろ「母親から自分の人生を取り戻せるのか」という部分が大きくなっていきます。
辛家亮との結婚で見えてくる両家の違い
承歓には3年間付き合っている辛家亮という恋人がいます。本人同士はうまくいっているように見えますが結婚の話が出た途端に問題が出てきます。
辛家亮は実は裕福な家庭の息子でした。家柄も生活水準も違う両家が関わるようになると、母親同士の考え方や金銭感覚の違いまで表に出てきます。
しかも辛家亮は承歓を好きなのに、家族が麦家を見下しても承歓を十分に守れません。ここがかなりもどかしいです。本人に悪気がないから余計に困るんですよね。優しい恋人ではあるけれど、結婚相手として家族との間に立てるかとなると、かなり頼りない。
承歓も好きだから結婚では済まされないと気付きます。結婚すると相手の家族とも付き合うことになります。中国では当たり前の問題がかなり具体的に表現されている感じです。
麦承歓にとって姚志明は最初は苦手な存在
そんな承歓の前に現れるのが姚志明です。ホテル経営に関わる立場にあり仕事では結果を優先するので、承歓とは最初から意見が合いません。
承歓の方が姚志明を苦手にしていますし、姚志明にも何を考えているのか分かりにくいところがあります。
ところが一緒に仕事をする機会が増えると、相手の考え方や意外な一面も見えるようになります。辛家亮との関係では承歓が相手や家族に合わせる場面が多かったのに対し、姚志明とは言いたいことをそのまま言えます。この違いがあるので、後から二人が親密になっていく展開にはそれなりに納得できました。
自立ドラマとして見ると気になるところもある
『承歓記』は母に従ってきた承歓が自分で人生を決めるようになる話として見ると面白いです。結婚相手を自分で決め、母と距離を取り、仕事でも自分の判断をするようになります。
ただし、その「自立」の描き方には引っかかるところもありました。
承歓は後半に陳淑珍から興安里ホテルを受け継ぎます。本人は努力してないのに、突然大きな資産を相続したことで一気に立場が変わるんですよね。
女性の自立を描くなら、ここはもう少し本人の力で立場を築いてほしかった気もします。陳淑珍の亡くなり方が唐突だったので「祖母の退場は承歓にホテルを渡すため?」と感じたところもありました。
恋愛より家族の話として見た方が面白い
シュー・カイが出演しているので恋愛ドラマを想像しやすい作品ですが、実際に最後まで見ると、私には家族関係を描いたドラマなんだなと思いました。
承歓は母の干渉から離れようとしますし、姚志明は麦家との付き合いを通して自分にはなかった家族との生活を知っていきます。そして終盤になると承歓は劉婉玉の若い頃や、母が家族のために諦めてきたことも知ります。
もちろん、それを知ったからといって婉玉の干渉が全部正しかったことにはならないでしょう。でも「どうしてこの母親はここまで娘に口を出すのか」という疑問には最後まで見ると多少答えが見えてきます。
恋愛、結婚、仕事、親子関係をかなり盛り込んだドラマですが、その中でも一番印象に残ったのは、承歓と母・劉婉玉の関係でした。最初は正直「この母親、面倒すぎる」と思う場面が多いです。でも、その面倒さを最後までなかったことにせず、親子がどう付き合い直すのかまで描いた作品だと思います。
承歓記 全37話あらすじ・ネタバレ
『承歓記』全37話のあらすじを、物語の区切りごとに最終回まで紹介します。
第1~6話 結婚を望む母と迷い始める承歓
麦承歓はホテルで働きながら恋人の辛家亮と3年間付き合っていました。母の劉婉玉は娘の結婚を急かしますが、承歓自身は今すぐ結婚したいとは考えていません。
辛家亮が裕福な家庭の息子だと分かります。婉玉は条件のいい結婚相手だと知って期待を膨らませますが、辛家が麦家を見下していました。
承歓は辛家亮のことが好きです。でも結婚となれば両家の格差も問題に。両家の顔合わせでは母親同士の考え方の違いまで明らかに。3年間付き合ってきた相手なのに家族が関わった途端に知らなかった問題が次々と出てくる。承歓が結婚を迷い始めるのも無理はないと思います。
- 第1話 7年目の大ピンチ
ホテルで働く承歓は辛家亮と交際していますが、彼が徳珊家居の社長の息子だったことを偶然知ります。普通の会社員だと思っていた承歓は、3年間も秘密にされていたことに腹を立てます。 - 第2話 恋人の素性
辛家亮は家柄を理由に関係が変わるのを心配していたと説明します。承歓は迷いながらも、もう一度彼を信じることにしました。 - 第3話 さらなるウソ
承歓は仕事で姚志明から認められる一方、辛家亮との結婚も現実的な話になっていきます。母の劉婉玉は、辛家亮が裕福な家の息子だと知り、結婚を強く期待します。 - 第4話 “愛の日”のサプライズ
辛家亮はホテルのイベント会場で承歓にプロポーズします。承歓は突然の出来事に戸惑いますが、両家の結婚話は一気に進んでいきました。 - 第5話 格差婚と母の見栄
辛家亮との婚約が決まり、両家の顔合わせが予定されます。劉婉玉は裕福な辛家に見下されたくないと考え、服装や車まで気にして準備を始めます。 - 第6話 悪夢の食事会
両家の食事会で辛家麗は麦家を見下すような態度を見せます。父まで侮辱された承歓は、辛家亮との結婚そのものを考え直すようになります。
第2章 辛家との対立と婚約破棄 第7~12話
両家の問題が大きくなるにつれ、承歓は辛家亮との結婚そのものを考え直すようになります。辛家亮には承歓のことが好きですが、姉や両親に強く反対されると自分の意見を押し通せません。承歓が辛家から傷つけられても、彼女を守ることができませんでした。
さらに婚前契約や承歓の仕事まで結婚の条件と結びつけられます。ここまで来ると、もう二人だけの問題とは言えません。承歓も辛家との付き合いに疲れ、家亮への気持ちだけでは結婚できないと考えるようになります。
でも母の劉婉玉は裕福な辛家との結婚を諦めきれません。娘の幸せを願っているのでしょうが、承歓の苦しみより、結婚の条件を優先してしまいます。承歓は辛家と母の考えからも距離を取るようになりました。
仕事では姚志明と関わる機会が増えていきます。最初は何を考えているのか分からず苦手だった相手ですが、一緒に仕事をするうちに承歓は姚志明の意外な一面も知るようになります。
- 第7話 祖母と2人の孫
承歓が祖母のように慕う陳淑珍が、姚志明の実の祖母だったことが判明します。承歓と姚志明には血縁関係はありませんが、二人を結ぶ意外な縁が明らかになりました。 - 第8話 突然の昇進
辛家はホテルとの取引を有利にするため、麦家との関係まで利用しようとします。承歓は自分の結婚が仕事の材料にされていることに不快感を抱きます。 - 第9話 波乱の入札会
辛家が承歓との結婚に備えて婚前契約を用意していると分かります。承歓は、自分が家族として迎えられるのではなく、財産を狙う人物のように見られていると感じます。 - 第10話 新しい職場へ
ホテルの情報漏えいを疑われた承歓ですが、調査によって別の人物が関わっていたことが判明します。承歓は潔白を証明し、別の部署で働くことになりました。 - 第11話 3年越しの本音
辛家麗が麦家を侮辱したことで、承歓はついに辛家亮との別れを決意します。辛家亮は引き止めますが、承歓はこの結婚を続けても幸せになれないと考えました。 - 第12話 リゾートホテル視察
陳淑珍は傷ついた承歓を励まし、自分の人生を大切にするよう話します。承歓は姚志明と過ごす中で、彼が家庭に恵まれずに育ったことも知るようになりました。
第13~20話 母との対立と陳淑珍の遺産
辛家亮と別れても承歓の悩みは終わりません。今度は母・劉婉玉との対立が大きくなります。婉玉は娘を心配しているのでしょうが、自分が「これが幸せ」と思った道を承歓にも選ばせようとします。
承歓が辛家亮と別れたあとも婉玉は復縁を諦めず、本人に知らせないまま婚約式まで準備してしまいました。さすがにここまでされると承歓が家を出たくなるのも分かります。母の言うことを聞き続けていたら、結婚相手まで自分で決められなくなってしまいます。
そんな承歓を支えたのが祖母の陳淑珍でした。家族と距離を置いた承歓にとって気持ちを落ち着けて過ごせる相手でもありました。
ところが陳淑珍が亡くなり承歓は思いがけず興安里ホテルを受け継ぐことになります。突然これだけ大きな財産と責任を任される展開には驚きますが、ここから承歓の仕事も生活も大きく変わっていくのでした。
- 第13話 水浸しの家
承歓は体調を崩した姚志明を世話し、彼の家庭環境について知ります。仕事に厳しい上司として見ていた承歓は、姚志明への印象を少しずつ変えていきました。 - 第14話 愛人と緊急手術
辛家では辛志珊と朱宝翹の関係が原因で騒動が起きます。承歓は辛家の問題に巻き込まれますが、姚志明は彼女を守ろうとします。 - 第15話 ウサギの耳の秘密
麦家の古い住宅では設備の問題が起こり、家族は修理費に悩みます。承歓は結婚によって生活を良くするのではなく、自分の力で家族を助けたいと考えます。 - 第16話 婚約パーティー
劉婉玉は承歓に知らせず辛家亮との婚約式を用意します。承歓は大勢の前で結婚しないと宣言し、母と激しく対立して家を出ました。 - 第17話 親友の危機
家を出た承歓を姚志明が気にかけるようになります。承歓も以前ほど姚志明を苦手には感じなくなり、二人の距離が少しずつ近づきます。 - 第18話 仮住まいの提案
体調を崩した陳淑珍が入院します。麦家の住宅事情を知った陳淑珍は、自分の家を家族に使ってもらおうと考えました。 - 第19話 ビデオメッセージ
退院を迎えた陳淑珍が突然亡くなります。承歓と姚志明は大きな悲しみを抱えながら、生前に残された言葉を受け取ります。 - 第20話 老舗ホテルと洋館
陳淑珍の遺言によって、興安里ホテルが承歓に残されていたことが判明します。姚志明も予想していなかった遺言によって、二人は仕事でも深く関わるようになります。
第21~27話 興安里ホテルと姚志明との恋
興安里ホテルを受け継いだ承歓は従業員として働いていた頃とはまったく違う責任を背負うことになります。
そこで頼りになるのが姚志明です。ホテル経営の経験があるだけに現実的な判断をしますが、承歓とは考え方が合わないこともあります。それでも一緒に問題を解決していくうちに、承歓も姚志明のやり方を認め、異性としても意識するようになります。
辛家亮との恋愛では結婚の話になるたびに辛家や母の都合が入り込みましたが、姚志明との関係ではそれはありません。お互いの意思を尊重した付き合いが始まります。
- 第21話 営業停止命令
興安里ホテルが食中毒を起こしたという疑いをかけられますが、承歓と姚志明は協力して真相を調べます。問題が解決したあと、姚志明は承歓に自分の気持ちを伝えました。 - 第22話 屋根裏部屋の家主
姚志明は陳淑珍の家で麦家の人々と暮らすことになります。家族との生活に慣れていなかった姚志明ですが、少しずつ麦家の暮らしになじんでいきます。 - 第23話 崖っぷちの新事業
承歓は興安里の特色を生かした結婚式を企画します。大きなホテルとは違う魅力を生かし、経営者として最初の成果を出します。 - 第24話 警察沙汰
承歓と劉婉玉はまだ意地を張っていますが、互いに気にかけています。姚志明も二人が再び話せるよう手助けしました。 - 第25話 “妹”の帰国と毒親戚
姚志明を慕う張子玉が海外から帰国します。彼女と姚志明の親しい様子を見た承歓は、自分が姚志明を意識していることに気づきます。 - 第26話 2度目の告白
姚志明と張子玉が恋人ではないと分かった承歓は、自分の気持ちと向き合います。二人は互いの思いを確認し、正式に付き合い始めました。 - 第27話 弟の家出
麦承早は幼い頃から母に言えなかった思いを明かします。劉婉玉は、娘だけでなく息子にも自分の考えを押しつけていたことに気づかされます。
第28~33話 家族として受け入れられる姚志明
そんな姚志明が麦家で過ごすうちに、劉婉玉や麦来添との距離も少しずつ縮まっていきます。婉玉は何かと口を出すので承歓にとっては困ることも多い母親です。でも姚志明から見ると、そのお節介さえ自分にはなかった家族との関わりなのです。
一方、承歓は興安里ホテルの経営を続けながら張培生の妨害にも立ち向かうことになります。さらに張培生は姚志明の父・姚仁富まで利用します。
恋人との関係がうまくいき、麦家にも姚志明の居場所ができてきたところで、今度は実の父親が問題に関わってくるのでした。
- 第28話 “孝行娘”という呪い
姚志明の仲立ちもあり、承歓は母ともう一度向き合います。母の考えをすべて受け入れるわけではありませんが、家族との付き合いを続ける道を選びます。 - 第29話 親子イベント
麦承早は毛咏欣が息子の親権を取り戻せるよう力を貸します。二人の関係も深まり、将来を考えるようになります。 - 第30話 積年の憎しみ
承歓は仕事で疲れがたまり、体調を崩してしまいます。そんな中、姚志明と長年関係の悪かった父・姚仁富が麦家の前に姿を現します。 - 第31話 交際宣言
承歓と姚志明の交際が麦家に知られます。姚志明が本気で承歓を大切にしていると分かり、家族も二人の関係を認めるようになります。 - 第32話 ページをめくる
張培生は姚仁富を利用し、興安里ホテルを困らせようとします。姚仁富は麦家の人々に親切にされるうち、自分がしたことを後悔し始めます。 - 第33話 父の償い
張培生の計画によって興安里ホテルで問題が起きますが、姚仁富は事情を承歓に話します。承歓は彼を責めずに協力を求め、姚仁富もホテルを助けました。
第6章 劉婉玉の病気と家族の結末 第34~37話
終盤では承歓と姚志明の恋愛やホテル経営よりも、麦家の家族の問題が中心になります。姚志明は父・姚仁富との関係を少しだけ取り戻せましたが、その直後に父を失いました。これまで家族との付き合いに慣れていなかった姚志明にとって、この喪失はかなり大きいです。
そんな姚志明のそばに残ったのが麦家の人たちでした。劉婉玉も麦来添も、もう娘の恋人だからという距離感では接していません。ここまで来ると姚志明は麦家の一員として受け入れられたといっていいでしょう。
ところが今度は劉婉玉の肺に異常が見つかります。婉玉は家族に心配をかけたくないと考え、何も言わずに故郷へ帰ってしまいました。娘の生活にはあれだけ口を出してきた人が、自分の病気になると一人で抱え込もうとする。このあたりは、いかにも婉玉らしいです。
承歓は母を追って故郷へ向かい、そこで若い頃の婉玉について知りました。婉玉にも自分の夢がありましたが、結婚して家族を支える中で諦めていました。これまでの承歓から見れば、母は自分の人生に口を出してくる面倒な存在でした。でも婉玉自身も、ずっと好き勝手に生きてきたわけではありません。
ただ、なぜ婉玉が娘の結婚や暮らしにあれほど執着したのかは、ここで少し分かった気がしました。承歓も母を一人の女性として知ることになるのでした。
- 第34話 涙の誕生日
姚仁富が亡くなり、姚志明は大きな悲しみを抱えます。麦家は彼を家族として支えますが、その頃、劉婉玉の健康診断で肺の異常が見つかります。 - 第35話 母からの手紙
病気の可能性を知った劉婉玉は、家族に告げず故郷へ帰ります。承歓と姚志明は母を追い、安徽省の故郷へ向かいます。 - 第36話 自分を取り戻す場所
承歓は母を上海へ連れ帰ろうとしますが、劉婉玉は故郷に残ろうとします。承歓は母のそばに残り、これまで知らなかった若い頃の話を聞きます。 - 第37話 家族は永遠に
承歓は、劉婉玉が若い頃に戯曲学校へ合格しながら家族のため進学を諦めていたことを知ります。母をもう一度舞台に立たせたあと、劉婉玉は上海へ戻って手術を受け、元気を取り戻しました。一年後、承歓と姚志明は仕事でも協力しながら交際を続けています。中秋節には麦家の人々がそろって食卓を囲み、家族の笑顔の中でエンディングを迎えます。
承歓記 主な登場人物
麦承歓(マイ・チョンホワン)
上海のボッティチェリ・ホテルで働く29歳の女性。仕事では責任感が強く、家では母・劉婉玉の期待に応えようとしてきました。
辛家亮とは3年間付き合っていますが、結婚話をきっかけに両家の考え方の違いが明らかになります。辛家亮との別れや母との対立を経験した承歓は自分がどんな人生を送りたいのかを考えるようになります。
姚志明(ヤオ・ジーミン)
承歓が勤めるホテルの責任者。仕事では結果を優先、承歓にも厳しい態度を取ります。
陳淑珍の実の孫で当初は祖母が所有する興安里ホテルにも関心を持っていました。そのため承歓に近づいた理由にも仕事上の思惑がありましたが、一緒に働くうちに彼女自身にひかれていきます。
辛家亮(シン・ジアリアン)
麦承歓の恋人。家具関係の仕事をしています。
実家は大手家具会社「徳珊家居」を経営する裕福な家庭です。性格は優しく承歓を大切にしていますが、家族、とくに姉の辛家麗には強く出られないところがあります。
劉婉玉(リウ・ワンユイ)
麦承歓と麦承早の母。家族への愛情が強く、子供たちには安定した生活を送ってほしいと願っています。
娘の恋愛や結婚にも積極的に関わり、自分が良いと思ったことを承歓にも受け入れてほしいと考えるタイプです。世間体や生活条件を気にするところもあります。
麦来添(マイ・ライティエン)
麦承歓と麦承早の父。穏やかな性格で、妻の劉婉玉ほど子供たちの生活には口を出しません。
陳淑珍とは血縁関係がありませんが、長く親子のような付き合いを続けています。
陳淑珍(チェン・シュージェン)
姚志明の実の祖母。上海にある興安里ホテルのオーナー。
麦来添とも親しく、麦承歓からは実の祖母のように慕われています。年齢を重ねても考え方は柔軟で、承歓の考えを尊重してくれる存在です。
麦承早(マイ・チョンザオ)
麦承歓の弟。法律を学び、弁護士として働く青年。
姉の承歓とは仲がよく、母の劉婉玉には言いたいことを我慢してしまうところがあります。毛咏欣とは幼なじみです。
毛咏欣(マオ・ヨンシン)
麦承歓の親しい友人で、麦承早の幼なじみ。ジュエリー関係の仕事をしています。
離婚経験があり、息子の丁丁がいます。自立心が強く、承歓とは仕事や家族について話せる身近な存在です。
承歓記の感想:恋愛より母娘の関係を描くドラマ
シュー・カイがヒロインの相手役なので、最初は恋愛ドラマを期待して見る人も多いと思います。ところが実際に見てみると恋愛より母と娘の関係や、それぞれの生き方にかなり時間をさいてます。
そのため、シュー・カイとの恋愛を中心に見たい人には思っていたドラマと少し違うと感じるかもしれませんね。
特に印象深いのが麦承歓の母・劉婉玉です。29歳の娘の結婚や仕事にここまで口を出すのかと驚く場面が多く、かなり古風な母親に見えます。でも中国では放送時にこの母娘関係がかなり話題になっていたので、劉婉玉のような親は今でもある程度身近な存在なのだと思います。
原作は1990年代の香港を舞台にした小説ですが、ドラマでは舞台を2020年代の上海に移しています。それでも親が娘の結婚に強く関わることや、家の経済力まで気にすること、親の期待と自分の人生の間で悩む娘というのは、そのまま現代中国の物語として成立しているのが面白いところです。
個人的には恋愛ドラマとして見るより、今の中国で親子や結婚、仕事をどう考えているのかが見えてくるドラマとして興味深かったです。
中国の現代社会や若い世代の生き方を少しのぞけたような感じがあって、そこが『承歓記』の面白さだと思いますね。
『承歓記』の意味
「承歓」という名前には重要な意味があります。
中国語には「承歓膝下」という言葉があって「親のそばにいて喜ばせる、親孝行をする」という意味で使われます。
ドラマ前半の承歓は、まさにそんな娘です。母・劉婉玉のことを大切にしていて仕事や恋愛、結婚でも母の期待をかなり気にしています。
辛家亮との結婚でも、彼女の思い通りにはいきません。劉婉玉は娘に少しでもいい結婚をしてほしくて積極的に口を出しますし、承歓も母を悲しませたくないので母の希望を無視できません。
でも、結婚をめぐって次々と問題が起こったことで、承歓も少しずつ考え方を変えていきます。親を大切にすることと、親の望む人生をそのまま選ぶことは別。仕事も恋愛も、最後は自分で決めていいと気づいていくのです。
そして最終的には承歓だけでなく劉婉玉にも変化がおとずれます。劉婉玉は家族のためだけではなく、自分の好きなことにも目を向けるようになります。
最初は母を喜ばせようとしていた承歓が、自分の人生を選べるようになり、母にも自分の人生を生きてほしいと思うようになる。『承歓記』というタイトルには、そんな親子の関係まで詰まっているのですね。
このタイトルの意味を思い出しながらドラマを見ると承歓たちの生き方とドラマのテーマが重なって面白いと思います。


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