中国ドラマ『古相思曲~君想う、千年の調べ~』は、現代の歴史作家・沈不言が千年前の晟国へ迷い込み、史書で「妖后」と呼ばれる皇后・陸鳶と出会うロマンス時代劇です。
沈不言にとって陸鳶は初対面の女性ですが、彼女は以前から彼を知っているように接します。しかも、史書では国を乱した悪女とされていた陸鳶が、実際には民や国を守ろうとしていました。沈不言は自分が本に書いた歴史を疑い、彼女に何があったのかを確かめようとします。
ところが、再び晟国を訪れた沈不言が出会うのは、前よりも若い陸鳶でした。彼が過去へ戻るたびに、二人が共有している思い出も違っていきます。
「陸鳶はなぜ沈不言を知っていたのか」「国を守る彼女が、なぜ妖后と呼ばれたのか」「逆向きの時間で出会う二人は結ばれるのか」。出会いの順序と史書に残された記録が、この物語の大きな謎です。
この記事では、BS放送の全8話版に沿って『古相思曲』のあらすじをネタバレ込みで紹介します。各話の出来事から最終回の結末、二人が出会う時系列、登場人物の疑問、時代背景と用語まで解説します。
この記事で分かること
- 『古相思曲』全8話のあらすじと各話記事
- 沈不言と陸鳶が出会う順序と、それぞれの記憶の違い
- 陸鳶が「妖后」と呼ばれる理由と主要人物の関係
- 最終回で二人が迎える結末
- 架空の晟国の時代背景と、陸鳶の原型となった衛子夫
※本記事は『古相思曲~君想う、千年の調べ~』の最終回までのネタバレを含みます。
古相思曲の あらすじとネタバレ
第1話・皇后が待っていた男
五つに割れた玉佩
歴史小説『南晟遺事』の著者・沈不言(しんふげん)は、女性が城楼から身を投げ、玉佩が五つに割れる不思議な夢を見ます。
ところが出版イベントの帰り道、老婦人の露店で夢に出てきたものと同じ玉佩を発見しました。自宅に戻ると編集長から続編の執筆を頼まれますが史料が不足しているため断ります。
その後、鼻血が玉佩に落ちると沈不言は突然、古代の晟国へ移動してしまいました。
夢に出てきた玉佩が実在して、その玉佩によって過去へ移動するとはずいぶんと簡単なタイムスリップですね。そもそも玉佩を売っていた老婦人は何者?夢と同じ品を偶然売っていたとは思えませんけどね。
沈不言を待っていた皇后・陸鳶
宮廷の御書房で史料を調べていた沈不言は侍女の倚華に案内され、皇后・陸鳶(りくえん)と会いました。
陸鳶は沈不言の名前を知っていて、以前から彼が来るのを待っていたようです。沈不言に三つの頼みを聞けば三つの質問に答えると約束しました。
沈不言は陸鳶とは初対面ですよね?でも陸鳶は彼の名前だけでなく体格まで知っているとは。二人の認識が明らかに違うんですよね。
いったい陸鳶はいつ沈不言と会ったのでしょうか。それに陸鳶が沈不言を待っていた理由も気になります。三つの頼みを聞かせるために、わざわざ彼が来るのを待っていたのでしょうか。
沈不言は晟国の衣装に着替えて陸鳶と食事をした後、上巳節の街へ出かけます。しかし陸鳶が外出禁止令を出していたため、祭りの日なのに街には誰もいません。
せっかくの上巳節なのに人々を外出禁止にしてまで沈不言と街を歩く必要があったのでしょうか。陸鳶が何を考えているのか、まだよく分かりません。
元啓の変と李擁の裏切り
陸鳶と別れた沈不言は、この日が元啓15年3月3日だと気づきます。歴史書によれば皇后・陸鳶が賢相・李擁を襲撃した「元啓の変」が起きた日でした。
ところが沈不言が東門へ行くと李擁は晟国の城防図を盗み、敵国の北烈へ寝返ろうとしていました。歴史書では国に尽くした有能な宰相とされている李擁が実際には敵国に城防図を渡そうとしていたのでした。
沈不言は歴史小説家だけあって史書に詳しいのですが、少し信用しすぎているような気がします。これでは陸鳶が李擁を襲撃したという記録も、そのまま信用してよいのか疑問です。もしかすると沈不言が小説に書いた陸鳶の評価も事実とは違っているのかもしれません。
李擁は陸鳶の養子・楚同裳を人質に取って抵抗します。沈不言は仮面をつけて説得を試みますが、趙啓龍に仮面を外されると、以前にも会ったことがあるかのような反応をされました。
陸鳶だけでなく、趙啓龍まで沈不言を知っているようですね。沈不言にとっては初めての出来事なのに、周囲の人物は以前から彼を知っているようです。
第1話から気になる情報が多いですね。特に陸鳶と沈不言の認識の差には、何か大きな理由がありそうです。
古相思曲の全話あらすじ一覧
オリジナル版は全14話ですが、この記事ではBSで放送された全8話版のあらすじを紹介します。
第1話~第4話 陸鳶との出会いと皇后になる理由
第1話 これは最終回でもある
歴史小説家の沈不言は突然晟国の宮廷へ移動し、自分の小説で悪女として描いた皇后・陸鳶と出会います。
第2話 仮面の下の素顔
皇帝と間違えられて賊に襲われた沈不言は、虎豹の面を着けた人物に救われ、歴史の知識だけでは説明できない出来事に直面します。
第3話 運命を変えろ
沈不言は現代の知識を使って戦場に霧を発生させ、陸時を救う作戦を成功させると、陸鳶も助けるため晟国に残ろうとします。
第4話 彼女が皇后になる理由
沈不言は陸鳶が皇后になることを避けようとしますが、陸鳶は敵軍の襲来を前に兵と民の混乱を収めるため、鳳牌を掲げます。
第5話~第8話 若い陸鳶との再会と最後の別れ
第5話 三度目の上巳節
李擁の暗殺を陸鳶に阻まれた沈不言は、再会を喜ぶ彼女に襲撃の理由を問いただされ、李擁を信じる陸鳶と口論になります。
第6話 すれちがう想い
楚沐は陸鳶を太子妃に迎えようと鳳牌を渡し、求婚に反対する沈不言たちは、楚沐の馬車に北烈の趙啓龍がいることに気づきます。
第7話 これが別れでも
沈不言はまだ自分を知らない若い陸鳶に出会い、彼女が将来の困難に対処できるよう、知識を教えようとします。
第8話(最終回)真実とは
陸鳶は故郷を守るため北烈への潜入を引き受けて沈不言と別れ、現代へ戻った沈不言は、後世に伝わった陸鳶の記録の誤りを知ります。
古相思曲の最終回・結末はどうなる?
第8話の最終回では、陸鳶が故郷を守るため北烈への潜入を引き受け、沈不言と別れます。現代へ戻った沈不言は、玉佩を渡してくれた老婦人から、陸鳶が元啓の変で生き延びていたと知らされました。彼女が矢を受けた場面も、防衛図を偽物と交換するための計略だったのです。
しかし、陸鳶はその後、国が疲弊した責任を「妖后」の自分に負わせ、民が新しい皇帝の治世に希望を持てるよう、自らの死を受け入れます。楚同裳は彼女を救おうとしましたが、陸鳶は自分の功績を後世の判断に託しました。
現代では南夢湖で陸鳶の墓が発見され、汚名を晴らす詔書も見つかります。沈不言は『南晟遺事』を書き直し、彼女が国と民のために何をしたのかを伝えることにしました。
最後に沈不言は再び過去へ行き、幼い陸鳶と出会います。二人はまた会う約束をしますが、恋人として一緒に暮らす結末には至りません。陸鳶の死は変えられず、それでも沈不言は彼女の本当の行動を知って彼女の本当の姿を世に伝えようとするのでした。
古相思曲の時系列と二人の出会いを解説
沈不言は現代と晟国を行き来し、晟国を訪れるたびに前回より昔の陸鳶と出会います。一方、陸鳶は晟国で年を重ね、沈不言が再び現れるのを待っています。そのため、同じ場面にいる二人でも、それまでに一緒に経験した出来事が違います。
沈不言と陸鳶は、どの順番で出会う?
沈不言が皇后の陸鳶と出会ってから、最終回で幼い彼女に会うまでを、訪問した順番で紹介します。冒頭の夢で見た場面は、この表には含めていません。
| 沈不言が訪れる順番 | 晟国の年代・時期 | 沈不言が知っていること | 陸鳶が覚えていること |
|---|---|---|---|
| 皇后の陸鳶との出会い | 元啓15年 | 歴史書に書かれた陸鳶の悪評を知っていますが、本人との思い出はありません | 若いころから沈不言と過ごした日々を覚えています |
| 皇后になる前の陸鳶との再会 | 元啓5年 | 元啓15年の陸鳶を知り、彼女を助けようとします | もっと若いころに沈不言と会い、教えを受けたことを覚えています |
| さらに若い陸鳶との再会 | 元啓元年 | 李擁の企みや、陸鳶が皇后になる事情を知っています | 南夢湖で沈不言と暮らした日々を覚え、再会を待っていました |
| 南夢湖で暮らす陸鳶との出会い | 景平30年 | 後年の陸鳶を知り、彼女を愛しています | 沈不言と恋人として暮らした経験がなく、彼の言葉に戸惑います |
| 幼い陸鳶との出会い | 最終回の最後に訪れる幼少期 | 陸鳶が国のためにしたことと、後世に残された記録の誤りを知っています | 沈不言との思い出をまだ持っていません |
陸鳶が経験する順番では、幼少期の出会いが最初で、その後に景平30年、元啓元年、元啓5年、元啓15年の再会が続きます。沈不言が最後に経験した出来事を、陸鳶は最初に経験しているのです。
例えば元啓元年の陸鳶は、南夢湖で一緒に暮らした沈不言を待っていました。しかし、その時点の沈不言は、まだ南夢湖で彼女と暮らしていません。陸鳶が忘れられずにいる思い出は、沈不言にとって、これから経験する出来事になります。
第1話の陸鳶は、なぜ沈不言を知っていた?
第1話の陸鳶は若いころに沈不言から知識を教わり、一緒に暮らしたことを覚えています。ところが宮廷に現れた沈不言は彼女とは初対面で歴史上の人物としてしか知りません。陸鳶が親しい相手だと思って話しかけても、沈不言にはその理由が分からないのです。
これは沈不言が思い出を失ったわけではなくて、二人が出会う順番が違うから。沈不言がこれから経験する恋愛を陸鳶はすでに経験しています。逆に後半で沈不言が若い陸鳶に愛情を示したとき、彼女はまだ彼と過ごした日々を知りません。
また同じ時代で一緒に過ごしている間は二人とも同じ時間の流の中にいます。今日が終われば明日になるというのは同じ。
沈不言が一度陸鳶と別れて次に訪問したときには前の時間の彼女に会うという設定です。
古相思曲で気になる注目点
陸鳶はなぜ「妖后」と呼ばれる?
沈不言が読んだ歴史書には、陸鳶が皇帝を操り、贅沢をして国を疲弊させ、賢臣の李擁を殺したと書かれていました。しかし、実際に晟国を訪れると、李擁は敵国と通じており、陸鳶はその企みを阻むために行動していました。
陸鳶は後に、長く続いた戦乱や国の疲弊への不満を自分に向けさせ、新しい皇帝・楚同裳の治世を民に受け入れてもらおうとします。国を守るためにしたことが正しく伝わらず、悪女としての記録が後世に残ったのです。
陸鳶はなぜ皇后になることを選んだ?
北烈軍との戦いを前に、城内では兵と民の間で騒ぎが起きます。陸鳶は人々を落ち着かせようとしますが、女官の身分では命令に従わせることができず、皇后の資格を示す鳳牌を掲げました。
沈不言は、陸鳶が皇后になると後に命を落とすと考え、その即位を避けようとしていました。しかし、陸鳶は目の前の兵と民を守るため、皇后となることを選びます。後世の歴史書が伝えた「皇帝の寵愛を利用して皇后になった」という説明と、彼女が決断した理由は違っていました。
李擁はどんな人物で、何を企んでいた?
李擁は晟国の丞相で、後世には陸鳶に殺された賢臣として伝えられています。若い陸鳶も彼を信頼していたため、沈不言が李擁を殺そうとしたときには、その暗殺を阻みました。
しかし、李擁は皇位を得るため北烈と手を組み、陸時を敵に引き渡そうとするなど、晟国の人々を犠牲にする計画を立てていました。元啓の変でも北烈へ防衛図を渡そうとしますが、陸鳶と楚同裳が偽物に交換したため計画は失敗し、最後は北烈に殺されます。
古相思曲の主要キャスト・登場人物
沈不言(しん・ふげん)
演:グオ・ジアナン(郭迦南)
歴史小説『南晟遺事』を書いた現代の作家。
晟国へタイムスリップして陸鳶と出会い、歴史書の記述と彼女の行動が違うことに気づきます。陸鳶を助けようと現代の知識を使って戦いや宮廷の事件に関わります。
陸鳶(りく・えん)
演:ジャン・ヤーチン(張雅欽)
後世に「妖后」と伝えられる晟国の皇后。
若いころに沈不言から知識を教わり、家族や民を守るために行動します。沈不言が初めて彼女に会ったときには陸鳶はすでに彼と過ごした日々を覚えていました。
陸時(りく・じ)
演:チュエン・イールン(全伊倫)
陸鳶の弟、虎豹の面を着けて部隊を率いる武将。
姉を大切にして倚華とは互いに思いを寄せています。沈不言は歴史書に記された陸時の死を避けようと戦場で彼を救おうとします。
倚華(い・か)
演:ジュー・リンユー(朱林雨)
陸鳶の侍女。
陸鳶と陸時に助けられてから姉弟と親しくなり、宮廷でも陸鳶に協力します。陸時の悩みを聞いて励ますなど、彼との恋愛も描かれます。
李擁(り・よう)
演:ジュアン・ハン(荘翰)
晟国の丞相。
後世には賢臣として伝えられています。若い陸鳶も彼を信頼していましたが、実際には皇位を得るため敵国の北烈と手を組み、陸鳶たちを危険にさらしました。
元啓皇帝(げんけいこうてい)/楚沐(そ・ぼく)
演:ホアン・ジンジョウ(黄靖洲)
晟国の皇帝。
太子時代に陸鳶を妻に迎えようと鳳牌を渡します。即位後は李擁の企みによって正常な判断ができなくなり、李擁に政治利用されます。
楚同裳(そ・どうしょう)
演:プー・イーシン(蒲熠星)
北安王の息子、陸鳶が引き取って育てた養子。
後に皇帝となり、元啓の変では陸鳶の計画に協力して防衛図を偽物に交換します。陸鳶を母として慕っています。
趙啓龍(ちょう・けいりゅう)
演:チュンユー・シャンシャン(淳于珊珊)
北烈側の人物。
李擁と手を組み、晟国の皇族や宮廷の争いに介入します。沈不言たちは楚沐の馬車に彼がいることに気づいて北烈と晟国の人物が通じていることを知りました。
古相思曲の時代背景と用語
晟国は架空の王朝。モデルは魏晋時代?
『古相思曲』に登場する晟国(せいこく)は、ドラマのために作られた架空の王朝です。皇帝のもとに丞相や将軍が仕え、皇后も政治に関わっています。陸鳶と李擁が対立するのも、朝廷の政治や軍の指揮権をめぐる争いが関係しています。
晟国の時代設定には、魏晋時代から唐の初期にかけての中国を参考にした部分があるようです。特に衣装は、漢代や魏晋時代の服装を参考にしたと紹介されています。
魏晋時代は後漢が滅亡したあとの三国時代から西晋、東晋へと続く時代です。皇帝がいても、有力な貴族や将軍が政治や軍事に大きな権限を持つことがありました。
晟国も、こうした中国の歴史を参考にしながら、ドラマ独自の国として設定されています。
陸鳶のモデルとなった衛子夫とは?
陸鳶の原型となったのは、前漢の武帝の皇后・衛子夫(えいしふ)です。
『古相思曲』の原案は、三千魚が制作した動画です。もとの動画では、現代から過去へやって来た沈不言が、衛子夫と出会って恋に落ちる物語が描かれていました。
ドラマでは衛子夫にあたる人物が陸鳶となり、舞台も架空の晟国に変更されました。
衛子夫はもともと歌姫でしたが、漢の武帝に気に入られ、やがて皇后となった女性です。弟の衛青(えいせい)も武帝に仕えて将軍となり、匈奴との戦争で活躍しました。
ところが、衛子夫の晩年には悲劇が起こります。
紀元前91年、武帝の治世に「巫蠱の禍(ふこのか)」と呼ばれる事件が起こりました。呪術を使って皇帝を害そうとしたという疑惑が宮廷内に広まり、衛子夫の息子である皇太子・劉據(りゅうきょ)も事件に巻き込まれます。
劉據は兵を動員して抵抗しましたが敗北し、衛子夫も皇后の印綬を没収され、自ら命を絶ちました。
ドラマの陸鳶が皇后となり、弟の陸時が将軍として活躍するのは、衛子夫と衛青の姉弟を思わせる部分があります。
でも陸鳶と楚同裳の関係や李擁との対立、「妖后」と呼ばれるようになった事情はドラマ独自の設定です。衛子夫をモデルにしていますが、まったく別の人物として作られているのですね。
上巳節とは?
上巳節(じょうしせつ)は旧暦3月3日に行われる中国の春の行事です。人々が水辺で身を清めたり、宴会を開いたりしました。ドラマでは沈不言と陸鳶が出会う重要な日にあたります。
玉佩とは?
玉佩(ぎょくはい)は、玉で作られた装飾品です。中国では古くから腰などに身につけられていました。ドラマでは割れた玉佩が沈不言の時間移動に関係し、破片がそろうことにも意味があります。
起居注とは?
起居注(ききょちゅう)は、皇帝の日々の行動や発言を記録したもので、後世の歴史書にも利用されました。ドラマでは、歴史書に残された陸鳶の悪評と、沈不言が実際に見た彼女の行動との違いが重要になります。


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