中国ドラマ『楽游原(らくゆうげん)』は、皇孫・李嶷と崔家の娘・崔琳が、反乱軍と戦いながら互いの実力を認め、やがて恋人から夫婦になっていく時代劇です。
李嶷は皇族ですが皇帝になりたいとは考えていません。崔琳は何校尉と名乗り、男装して崔家軍の軍師を務めています。二人は兵糧や城を奪い合うライバルとなりますが、大裕王朝を支配しようとする孫靖を倒すため協力。ところが孫靖を倒しても二人の戦いは終わりませんでした。李嶷の父が皇帝になると皇太子の座や十万の兵を持つ崔家軍の処遇、李嶷と崔琳の結婚が問題になります。
全40話視聴済みの筆者が、各話の出来事、最終回、登場人物、ドラマの時代背景まで紹介します。
※この記事は『楽游原』のネタバレを含みます。
この記事で分かること
- 『楽游原』の序盤から最終回までのあらすじとネタバレ
- 何校尉の正体と李嶷・崔琳の関係の変化
- 孫靖討伐後に起こる皇位継承と崔家軍の問題
- 最終回の結末と李嶷・崔琳が迎えるその後
楽游原 あらすじ【ネタバレあり】
朝廷で孫靖が反乱を起こし、皇帝を殺害して都を支配すると、大裕は各地の軍が争う戦乱の時代に入ります。辺境の鎮西軍にいた皇孫・李嶷も都を取り戻すため出陣。そこで出会ったのが、崔家軍を率いる何校尉でした。
何校尉の正体は、崔家軍を率いる崔倚の娘・崔琳です。崔琳は身分を隠して軍に加わり、父に代わって兵を率いていました。李嶷と崔琳は孫靖という共通の敵を倒そうとしますが、同じ目的を持ちながらも主導権を譲ろうとはしません。互いに相手を出し抜こうと策を巡らせ、時には敵のように争いながら、戦場では命を預ける関係になっていきます。
戦いを続けるうちに李嶷と崔琳は互いに惹かれていきます。しかし二人には、皇族と有力武将の娘という立場がありました。李嶷は皇位に興味がなく、戦乱が終われば辺境へ戻って静かに暮らすことを望んでいます。一方の崔琳には、崔家軍と父を守らなければならない事情がありました。
孫靖を倒して都を取り戻した後も、二人の問題は終わりません。李嶷の父・梁王が皇帝となり、皇子たちの後継者争いが始まります。軍事力を持つ崔家も警戒され、李嶷と崔琳の結婚には皇族と崔家の思惑が絡むようになりました。
さらに崔琳を長年想ってきた柳承鋒や、李嶷との結婚を望む顧婉娘も関わり、二人は戦場だけでなく宮廷でも厳しい立場に置かれます。李嶷は皇位を求めていないのに、争いを避けようとするほど周囲の権力争いに巻き込まれていきました。
やがて李嶷と崔琳は夫婦となりますが、それでも皇位をめぐる争いは続きます。李嶷が望んでいたのは権力ではなく崔琳とともに穏やかに暮らすことでした。
二人が戦乱と宮廷の争いを乗り越え、自分たちが望んだ「楽游原」で誓った未来を手にできることができたのでした。
1〜7話 李嶷と何校尉の出会いと城取り合戦
- 1話 天下を争う戦の始まり
孫靖の謀反を知った李嶷は父・梁王を救うため挙兵し、望州で何校尉と出会います。 - 2話 腕比べと知恵比べ
李嶷と何校尉は郭直の軍営から脱出した後も、兵糧と望州をめぐって互いを出し抜こうと競い合います。 - 3話 昨日の敵は今日の友
山賊に捕まった二人は協力して逃げ出し、農民夫婦に扮して並州へ向かうことに。 - 4話 起死回生の戦略
望州を奪い返された李嶷は、韓立が支配する並州と建州を狙い、何校尉へ共闘を持ちかけます。 - 5話 三つ巴の暗闘
李嶷と何校尉は韓立の屋敷へ潜入し、軍を動かす虎符を奪う機会をうかがいます。 - 6話 以心伝心の好敵手
李嶷と何校尉は別々の策を進めながら、韓立を欺いて城と兵糧を手に入れようとします。 - 7話 終わりのない勝負
李嶷は並州を手にしたものの、兵糧と虎符では何校尉に先を越される結果となりました。
8〜17話 濼陽・峝関攻防と崔琳の正体
- 8話 綱渡りの駆け引き
李嶷は濼陽城の符元児から崔家軍を退ければ兵糧を渡すという条件を持ちかけられます。 - 9話 天下太平のために
李嶷は崔家軍と戦ったように見せかけて兵糧を得ると、そのまま濼陽城へ進出。 - 10話 二人で交わした約束
束の間の平穏を得た李嶷と何校尉は、いつか二人で楽游原へ行こうと約束を交わします。 - 11話 骨肉相食む関係
李嶷の兄たちが参戦する中、孫靖は梁王を人質にして三兄弟へ撤退を迫ります。 - 12話 内外呼応の妙計
崔家軍が崔璃の襲撃を受ける一方、死んだと思われていた梁王は密かに救出されていました。 - 13話 危険な潜入作戦
李嶷と何校尉は西長京へ潜入しますが、梁王の即位によって孫靖の警戒が一段と厳しくなります。 - 14話 猜疑と焦燥の間で
峝関を奪われた李嶷は何校尉に裏切られたと思い込み、二人の信頼関係に亀裂が入ります。 - 15話 運命の分かれ道
崔璃の襲撃で偽の崔琳が行方不明となり、何校尉も太清宮から自由に出られなくなります。 - 16話 届かぬ想い
李嶷は何校尉との関係を取り戻そうとしながら、西長京奪還の準備も進めていきます。 - 17話 二人だけの桃源郷
何校尉が本物の崔琳だと判明し、李嶷と崔琳は約束していた楽游原を二人で訪れました。
18〜25話 西長京奪還と孫靖との決着
- 18話 王手をかけた戦い
李嶷は崔倚との同盟を進める一方、生還した柳承鋒は崔琳への執着を強めていきます。 - 19話 掴んだ勝利の後味
鎮西軍と崔家軍は西長京を奪還、孫靖軍を峝関まで退かせることに成功しました。 - 20話 満たされない心
都を取り戻しても皇帝は李嶷を冷遇し、兄たちは皇太子の座を狙って動き始めます。 - 21話 譲れない一線
皇帝から崔家軍との戦いを命じられた李嶷は、崔琳を敵にすることを拒みます。 - 22話 歪んだ愛のかたち
柳承鋒が掲碩族と結んで李嶷を狙う中、李嶷は崔倚へ崔琳との結婚を願い出ました。 - 23話 裏切り者の帰還
柳承鋒は芝居を使って崔家軍へ戻り、崔琳との結婚を実現させようと動きます。 - 24話 真実を告げる時
柳承鋒の婚礼計画が失敗し、崔倚は何校尉こそ本当の娘・崔琳だと公表します。 - 25話 残された切り札
李嶷と崔琳は峝関へ攻め込み、李玄澤を人質にする孫靖を追い詰めました。
26〜33話 皇太子をめぐる争いと李嶷・崔琳の対立
- 26話 波乱含みの政略結婚
李嶷と崔琳は皇太子を誰にするかで意見が食い違い、さらに李崍が崔琳との結婚を望みます。 - 27話 執着と欲望の果て
李嶷が李峻の罪を暴く一方、崔琳は皇太子にならなければ結婚しないと李嶷へ告げます。 - 28話 二人の夜を照らす蛍
柳承鋒にさらわれた崔琳を李嶷が救い出し、二人は蛍を眺めながら想いを確かめ合います。 - 29話 濼陽城を奪還せよ
皇帝が崔家軍から濼陽を奪おうとする中、崔琳は争いを避けるため自ら城を返す決断をしました。 - 30話 暗雲低迷の時局
柳承鋒が李崍と手を組む一方、李嶷と崔琳は三度相手の希望を受け入れる約束を交わします。 - 31話 許しがたき謀略
崔倚が李嶷を皇太子に推したことで二人は対立し、さらに李嶷の元乳母まで命を奪われます。 - 32話 不意打ちの惨劇
皇帝一行が襲撃され、李峻が殺害される中、李嶷も仲間を守って重傷を負いました。 - 33話 笹とんぼの願い
多くの仲間を失った李嶷は蕭氏と話し、自分が皇太子になる決意を固めます。
34〜39話 章 皇太子就任と崔家軍解散
それによって結婚した李嶷と崔琳ですが、崔家軍を失った代償は大きく、二人の新婚生活は思い描いていたものとは違うものになります。
- 34話 新たな使命と責任
李嶷が皇太子となり、強大な崔家軍を持つ崔琳を皇太子妃にするかが新たな問題となります。 - 35話 巧妙な罠に落ちて
柳承鋒らの告発で崔倚に謀反の疑いがかかり、顧婉娘も良娣として東宮へ入ることに。 - 36話 望みを叶えた代償
皇帝は崔家軍解散を結婚の条件とし、崔倚は娘のため軍を手放して李嶷と崔琳を結婚させます。 - 37話 東宮での新婚生活
崔倚が心を病んだことで崔琳は結婚を喜べず、李嶷との夫婦関係にも距離が生まれます。 - 38話 風変わりな奇術師
李嶷は崔倚を治すため慕仙鶴へ近づき、崔琳は西長京へ入り込んだ掲碩族を調べ始めます。 - 39話 取り戻した幸せ
崔倚が回復して李嶷と崔琳も仲直りしますが、顧宰相は裏で崔琳暗殺を進めていました。
40〜42話 顧宰相との最終決戦と楽游原
- 40話 狙われた皇太子妃
崔琳が行方不明になると、李嶷は皇帝の命令まで無視して西長京を封鎖し彼女を捜し続けます。 - 41話 二人で臨む最終決戦
柳承鋒が残した証拠から顧宰相の悪事が明らかになり、李嶷は崔琳の棺とともに皇宮へ乗り込みます。 - 42話 夢見た理想の未来へ
生きていた崔琳と李嶷が顧宰相を倒し、李嶷は即位して十年後に家族と楽游原を訪れました。
楽游原の結末はどうなる?
李嶷と崔琳は二人とも生き残り、夫婦として一緒に暮らします。
顧宰相と烏洛を倒したあと、李嶷の父は自分の判断を振り返り、李嶷へ皇位を譲ることを決めました。李嶷は皇帝となり、崔琳は皇后になります。顧氏一族は処罰され、長く続いた争いも終わりました。
その後、崔琳の妊娠が分かり、二人には男の子が生まれます。
李嶷は皇帝になった後も、宮廷で一生暮らすことを望みませんでした。在位10年で李玄澤へ皇位を譲り、崔琳と一緒に牢蘭関へ戻ります。その後は娘も生まれ、二人は子供たちと暮らしながら辺境を守りました。
皇帝になりたいと思っていなかった李嶷は、必要な期間だけ皇帝を務め、王朝が安定すると自分が望んでいた生活へ戻るのでした。
詳しくはこちらをご覧ください。

楽游原で気になる5つの注目点
何校尉の正体は誰?崔琳はなぜ男装している?
何校尉の正体は、崔倚の娘・崔琳です。序盤では本名や身分を伏せ、崔家軍の一員として行動しています。
李嶷も最初は彼女の正体を知らず、軍糧や城をめぐって何度も対決します。その中で、何校尉が武芸だけでなく判断も速く、簡単には出し抜けない相手だと知っていきます。
二人は恋愛から始まるのではなく、まず本気で競い合う相手として出会います。この関係が少しずつ変わっていくところが前半の見どころです。
李嶷はなぜ皇太子になりたくない?
李嶷は皇位を望んでいません。父・梁王との関係も良くなく、都で皇族として暮らすより、牢蘭関で兵士たちと過ごす生活を好んでいました。
また、亡くなった皇太子の息子・李玄澤こそ後継者になるべきだと考えています。
ところが兄たちは次々と問題を起こし、朝廷を任せられる人物がいなくなっていきます。李嶷が皇太子を受け入れるのは、皇位が欲しいからではなく、自分が引き受けるしかない状況になったためです。
皇帝になった梁王はなぜ李嶷を信用しない?
梁王は、李嶷の軍事能力と人望を警戒しています。李嶷は孫靖との戦いで功績を挙げ、鎮西軍の兵士たちからも強く支持されています。
さらに崔琳と結婚すれば、十万の兵を持つ崔家との関係も深まります。皇帝の息子が大きな軍事力を持つ家と結びつくため、梁王は自分の立場を脅かす可能性を考えるようになります。
そのため李嶷を遠ざけますが、ほかの息子たちが問題を起こし、最後には李嶷を後継者として認めます。
柳承鋒はなぜ李嶷と崔琳を裏切った?
柳承鋒は幼いころから崔琳のそばにいて、軍師として支えてきました。しかし崔琳が李嶷を愛するようになると、李嶷への嫉妬が強くなります。
やがて崔琳の幸せより、自分のそばに置くことを優先するようになり、烏洛と手を組んで崔家軍にも敵対します。
終盤では崔琳に薬を飲ませますが、使ったのは命を奪う毒ではなく、仮死状態にする薬でした。崔琳を奪いたい気持ちは捨てられず、それでも本当に殺すことはできない。その迷いが最後まで続きます。
崔家軍はなぜ解散させられる?
崔家軍は十万の兵を抱える大軍です。孫靖との戦いでは必要な戦力でしたが、戦後もその兵力を崔家が持ち続ければ、皇帝にとって無視できない存在になります。
さらに崔琳は皇太子となる李嶷と結婚します。李嶷と崔家が結びつけば、皇太子の周囲に大きな軍事力が集まります。
そこで梁王は、崔琳を皇太子妃として認める条件として崔家軍の解散を求めました。崔倚は条件を受け入れ、兵を手放します。
二人の結婚は恋愛だけの話ではなく、皇位継承と軍権にも関わる問題になります。
楽游原の感想
李嶷(りぎょく):理想に生きた王子の成長
演じるのはシュー・カイ。これまでの彼の作品では「かっこいいけど少し一本調子」という印象もありましたが、『楽遊原』では感情表現がぐっと深くなりました。李嶷は戦場では冷静な指揮官ですが、家族や愛する人の前では人間らしい弱さを見せます。そのギャップが魅力ですね。
本人もインタビューで「7日間連続で泣くシーンを撮って心が折れた」と語っていました。確かに、苦しみを抱えながらも理想を貫こうとする姿が印象的でした。
この役を通して、シュー・カイの俳優としての幅が広がったように思います。
崔琳:知略と行動力を持つ新しいヒロイン像
ジン・ティエンが演じる崔琳を見て『麗王別姫』の沈珍珠を思い出した人も多いのではないでしょうか。どちらも乱世の女性ですが、崔琳は沈珍珠とは正反対のタイプです。
沈珍珠が「耐える女性」だとすれば、崔琳は「動かす女性」。男装して戦場に出て、政治の中枢でも決断を下す。自分の力で時代を変えていくヒロインです。
ジン・ティエンはこの似たような時代背景の中で、まったく違う女性像をしっかり演じ分けています。役者としての成長が伝わる役でした。
『麗王別姫』で感じた「もし沈珍珠に力があったら?」という想像を、崔琳が現実にしているような印象です。
柳承鋒: 嫉妬に呑まれた知略家
柳承鋒は「頭は切れるけれど、感情で全てを壊すタイプ」の人物。軍師としては有能なのに、崔琳への歪んだ執着と嫉妬で自滅していきます。
彼は崔琳の幸せより「自分が彼女の隣にいること」を優先してしまった。その結果、国を混乱させるほどの行動に出てしまうのです。悪人というより、愛をこじらせて破滅した人。
ただの「邪魔者」に終わってしまったのは少し残念でしたが。その分、彼が退場した時のスッキリ感はなかなかのものでした。
梁王(李嶷の父):善意の裏にある「無能の悲劇」
李嶷の父・梁王は理不尽な仕打ちをすることもありますが、基本は悪人ではありません。判断の誤り化r、有能な息子を警戒。無能な兄たちを重用する。その判断がまた国を乱していく。
昔から「敵より厄介なのは無能な味方」といいますが、まさにその典型でした。彼は李嶷と崔琳の前に立ちはだかる最大の壁。最後に親子の和解が描かれるのは救いでしたが、「もう少し早く気づいてほしかった」と思わずにはいられません。
楽游原の主要キャスト・登場人物
楽遊原に登場する人物は 楽遊原 中国ドラマ キャスト・ 登場人物と相関図 で詳しく紹介しています。ここでは簡単に紹介しておきます。

楽遊原 主な登場人物
基本は大裕王朝を守ろうとする鎮西軍・崔家軍 対孫靖ら反乱勢力の戦いですが。鎮西軍の李嶷や崔家軍の崔琳/何校尉も一枚岩ではありません。お互いに張り合っています。
李嶷
大裕王朝の第十七皇孫。鎮西都護軍を率いる武将です。皇位への関心は薄く、牢蘭関で兵士として暮らすことを望んでいます。孫靖討伐で大きな功績をあげたため、父が皇帝になった後は後継者争いに巻き込まれます。
崔琳
崔倚の一人娘。何校尉と名乗って男装し、崔家軍で軍事作戦を担当しています。武術と作戦の両方で李嶷と競える人物です。李嶷と恋人になりますが、崔家軍と大裕王朝の将来については李嶷と意見が合わないこともあります。
柳承鋒
崔家で育った軍師。幼いころから崔琳を支えています。崔琳への思いが強く、彼女が李嶷を選んだことで次第に二人を敵視するようになります。
桃子
崔琳に仕える女性。薬や毒についての知識を持ち、崔琳の任務を助けます。鎮西軍の謝長耳と親しくなります。
謝長耳
李嶷に仕える鎮西軍の部下。李嶷と行動を共にすることが多く、桃子とも親しくなります。
崔倚
崔琳の父。十万の兵を持つ崔家軍を率いる将軍です。孫靖討伐では大きな力を持ちますが、戦後はその軍事力を皇帝から警戒されます。
梁王/新皇帝
李嶷の父。孫靖の支配から逃れた後に皇帝となります。有能な李嶷を頼る一方、自分の地位を奪われることも警戒します。
顧婉娘
顧宰相の娘。李嶷に助けられたことをきっかけに彼を慕います。後に東宮へ入り、崔琳と李嶷の結婚後も李嶷を諦めません。
主要人物以外の配役や詳しい人物紹介は「楽游原 キャスト・登場人物と相関図」で紹介しています。
楽游原の意味 長安の楽遊原との関係
「楽游原(らくゆうげん)」は、もともとは唐の都・長安の西郊に実在した高台の名です。唐詩にも登場。かつて文人や貴族が春の宴を楽しみ詩を詠んだ場所でした。楽游原からは長安の街並みと都の盛衰を見渡すことができました。
でもドラマでは「楽遊原」は地名というだけでなく、心の再生と癒やしを象徴する場所として描かれます。戦乱や権力争いに翻弄され疲れ切った人々が一時の安らぎを求めて訪れる場所。それがドラマの中の「楽遊原」です。
主人公の李嶷(りぎょく)と崔琳(さいりん)にとって、この場所は特別な意味を持ちます。出会いや対立、理解し合う二人が再び心を通わせるきっかけとなった場所にもなっています。

楽遊原のイメージ画像
楽游原の時代背景 大裕王朝は実在する?
大裕はドラマのために作られた架空の王朝ですが、唐の後半から五代十国の時代がモデルになってます。
中央の皇帝が十分な軍事力を持てず、地方では大軍を抱えた勢力が力を持つ。将軍が反乱を起こし、その後の政権にも各地の軍事勢力が大きく関わってくる。こうした状況は唐末から五代十国にかけて実際に何度も見られました。
唐では辺境を守るために節度使が大きな軍事権を持つようになります。ところが安史の乱以降、地方の軍事勢力が強くなりすぎて中央政府との力関係が大きな問題になっていきました。
崔家軍が皇帝から警戒される理由
ドラマ後半で皇帝が崔家軍を警戒する展開もこうした時代背景と重なります。
崔家軍は十万の兵を持ち、崔倚への忠誠も強い軍です。孫靖と戦っている間は王朝を助ける存在ですが、戦が終わったあとまで大軍を維持していれば皇帝にとっては簡単に無視できる相手ではありません。
孫靖自身も、もともとは軍事力を持つ立場から反乱を起こしています。皇帝からすれば、孫靖を倒した直後に、別の大きな軍事勢力をそのまま残しておくのは不安が残ります。
さらに崔琳と皇太子・李嶷の結婚があります。次の皇帝になる人物と、十万の兵を持つ崔家が婚姻で結びつくため、朝廷が崔家軍の解散を求める理由もはっきりしてきます。
唐末から五代では地方の軍事勢力が政権を左右し、その後の宋では軍権を中央に集める動きが進みました。崔家軍を解散させる展開にも、こうした中国史で繰り返されてきた問題が取り入れられています。
時代背景のさらに詳しい紹介はこちらで行っています。
『楽遊原』原作:匪我思存(フェイ・ウォースーツン)の世界観
『楽遊原(らくゆうげん)』の原作は、中国の人気作家・匪我思存(フェイ・ウォースーツン)による同名小説です。
彼女は“悲劇の女王”とも呼ばれ、『東宮』『千山暮雪』『恋愛先生』など、愛と権力、理想と現実の間で揺れる人間模様を描いた作品で知られています。
匪我思存の物語には、いつも「愛」と「義務」、「私情」と「国家」といった二つの力がせめぎ合います。登場人物たちは自分の心よりも立場や信念を優先しなければならず、その中で生まれる痛みや喪失が彼女の作品にはあります。
「悲劇」から「再生」へ
でも『楽遊原』は、これまでの匪我思存作品とは少し違います。
代表作『東宮』が究極の悲恋として知られていますが、今作では過酷な運命の中にも希望が描かれるのです。
李嶷と崔琳は多くのすれ違いや犠牲を経ても、最終的には互いの理想を尊重して共に前へ進もうとします。
乱世を部隊にしていますが、そこに描かれるのは人が理想を信じ続ける強さ。この“理想と再生”というテーマは、最近の匪我思存が追い求める「成熟した愛のかたち」を象徴しているようです。
楽遊原 番組情報
原作・監督・脚本・話数
- 原題:乐遊原(Le You Yuan)
- 制作国:中国(2024年)
- 話数:オリジナル版全40話、BS版 42話
- 放送:BS12 月曜・火曜 各2話(週4話)
- 主演:許凱(シュー・カイ)、景甜(ジン・ティエン)
- ジャンル:歴史ロマンス・宮廷政治劇
放送情報
Amazon Primeでも常時配信中。
関連記事
Q:「楽遊原」とはどういう意味ですか?
A:もとは唐の都・長安の西郊に実在した高台の名です。長安周辺でも特に景色のいい場所で「楽しんでめぐる場所」という意味で「楽遊原」と名付けられました。
Q:楽遊原は全何話?
A:オリジナル版は全40話構成です。BS12放送版は全42話構成に編集されています。
Q:楽遊原はどの時代がモデル?
A:架空王朝が舞台ですが、衣装や建物・制度を見るとモデルとなっているのは唐の時代です。
Q:楽遊原の読み方は?
A:「らくゆうげん」です。また「楽遊原」とよく間違えられますが正式には楽遊原です。読み方は同じです。






コメント